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2005/04/07(木)
漫画・『宇宙家族カールビンソン』のネタ
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久しぶりに『宇宙家族カールビンソン』(あさりよしとお)を読み返しました。
この漫画、いろんなところにマニアックなネタがちりばめられているのが好きだったのですが、昔からずっと気になっていながら、どうしても出展のわからないネタがありました。 元ネタを紹介しているサイトも存在するのですが、そのネタはなぜか触れられていないのですね。(ひょっとしたら既知のことでありすぎて、誰もとりあげないのかもしれませんが)
それは『宇宙から来た暴れん坊』という回の冒頭でかわされる原住民たちの会話です。「大堀純太」「吉良平治」「中山湛慶」「成瀬典吾」。これらの名前が何を意味するのか、私にはずっと謎で、心のどこかにひっかかり続けていたのでした。
で、今回読み返してふと、ネットが自由に使えるようになった現在、改めてその謎を探ってみようと思い立ち、検索エンジンにかけてみました。
ところがこれがひっかからない。gooでもインフォシークでもダメなのです。ただ、唯一「吉良平治」だけには反応があったので、正体がつかめました。「吉良平治」とは実相寺昭夫のペンネームでした。
上記のことをふまえて、私が推測したことを以下に述べます。 (ちなみに『カールビンソン』を未知の方、またネタを意識していなかった方へ。各原住民はウルトラマンなどの特撮がらみの監督さんたちが元ネタとなっています)
最初に「大堀純太」と発言するジッソー君(実相寺)にジュン君(大木淳)が「吉良平治」と言い返して、ジッソー君がギクッとしている、というシーンから推察するに、吉良平治=実相寺、そして大堀純太=大木淳という図式がなりたちそうです。
さらに次のコマで「中山湛慶」という台詞の横で「なんだなんだ」と言っているのがショウちゃん(中野昭慶)、「成瀬典吾」と言っている原住民の額に亨(成田亨)とあるので、名前の類似性からしても中山湛慶=中野昭慶、成瀬典吾=成田亨ということになりそうです。
ではなぜこの様なネタが、2ページにも渡って使われたのでしょうか。 私はその理由を、ジッソー君が顔を隠し、「絶賛発売中」と言って手にしている本にあると思いました。
この本の題名、前半は隠されていて読めないのですが、後半は「月の舟」とあります。 そこで「月の舟」を検索してみたところ、実相寺昭夫が『星の林に月の舟』というウルトラマン制作に関わる自伝を発表していたことがわかりました。これは1989年にTBSで『ウルトラマンを作った男たち』という題でドラマ化されたものです。
謎の四人の名前は恐らくその『星の林に月の舟』の登場人物たちなのではないでしょうか。あさりよしとおはその作中、仮名で書かれている人たちのモデルがそれぞれ誰なのかを、『カールビンソン』でネタにしたのではないかと思うのです。
この推測が当たっているかどうかは、既に絶版している『星の林に月の舟』を手に入れるか、DVDで出ている『ウルトラマンを作った男たち』を見れば、確認できると思うのですが……。
いや、つまらないことを偉そうに語ってしまってすみませんでした。
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