ロバの耳
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2005/03/22(火) 落語・『御神酒徳利』五代目柳家小さん
 昨日、今日と二回に分けての『御神酒徳利』。円生の型とは違うオチなのだそうですが、私は小さんの型しか聴いたことがありません。

 出入りの八百屋さんが大店の女中に冷たくされた腹いせに、御神酒徳利を水瓶の中に隠してしまいます。店の者が探しているところに「私が易で占ってあげましょう」と持ちかけ、そろばん占いなどとでまかせを言って見つけてみせます。

 店の主人は喜んで、品物は全部うちで買い上げてあげようということになりますが、「失せ物は得意、盗まれた物は盗んだ人間が男か女か、年はいくつかまで言い当てて見せる」などと大見得を切ったから大変です。それならが三島の親戚が失せ物で困っているから行って見つけだしてきてくれと頼まれてしまいます。いろいろ言い訳をするのですが結局は出かけることに。

 神奈川の宿まで来たところ、泊まった旅籠で五十両という大金が盗まれたという事件が起きます。旅籠の者がお客様の荷物を調べさせて欲しいと一部屋ずつ回ってくるのですが、八百屋の付き添いの主人が、「それならばこの先生に任せるといい」と太鼓判。それならぜひにとお願いされ、断り切れなくなった八百屋さんは「離れの二階に一人にしてくれ、それから供え物として、ハシゴ、ワラジ、大きなおむすびを」と夜逃げの算段をします。
 離れに一人になり、さて逃げようとする八百屋さん。ところがそこへ、意外な人物が訪れます……。

 落語の中にはなかなかミステリちっくなものがあります。種をあかされている聴き手の側からはたいした話でもないのですが、次々と占いを適中させるこの八百屋さんを見て、周囲の者はさぞかし不思議な気持ちになることでしょう。私はこれもミステリの源流の一つだと思います。


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