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2005/02/14(月)
落語・『うそつき弥次郎』三代目三遊亭金馬
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嘘をづらづらと並べていくお話で、いくらでも改作のできる話です。南極に行ったり北海道に行ったり、高野山に行ったりとパターンはいくつかありますが、筋はほとんど代わりがありません。関西では『鉄砲勇助』と言われています。「鉄砲(ほらの意味)言う助」の意味で、「嘘つき村」と言う演題で演じられることもあります。
三代目金馬は調子よくほらを吹いていく男と、聞き役でつっこみ役の男との演じわけとタイミングが見事。こういう話はその辺がしっかりできないといけません。
金馬の名は元は立川流だったそうで、立川金馬は三代までいたそうです。当代の金馬は四代目なので、合計七名の金馬がいることになります。
そういえば、先日の九州旅行のおり、利用したANAの飛行機の落語チャンネルで当代四代目の金馬の『ねぎまの殿様』をやっていました。 当代の金馬はそんなに好きではないのですが、この話はけっこう面白く聴けました。話の筋はほとんど『目黒のさんま』と変わりません。
殿様がお忍びでお出かけのさいに、立ち寄った店でねぎまを食べますが、その味が忘れられません。屋敷に戻ってからねぎまを作らせようとしますが、殿様は「ねぎま」のことを「にゃー」と言うので料理番はなんのことかわかりません。お供の三太夫がそれは「ねぎま」のことであると教えて、料理番は作り始めますが、気をつかってマグロは賽の目に切って蒸かして脂ぬきし、ネギは茹でてしまったので、美味しいはずがありません。
私が金馬の「ねぎまの殿様」が気に入ったのは、殿様が三色のねぎまを称して「三毛のにゃー」という、その言い方の可愛らしさでした。
ところでこの話、殿様の言うとおりに「ねぎま」が調理され直してお酒も飲んで、いよいよオチ……というところに来て、飛行機のアナウンスが入ってしまいました。 アナウンスが終わった時には噺も終わってしまっていました。そのため、私はこの話のオチを知りません。
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