ロバの耳
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2005/12/09(金) 金曜ロードショー・『キューティ・ブロンド』監督/ロバート・ルケティック
出演 /リース・ウィザースプーン ルーク・ウィルソン セルマ・ブレア 声・坂本真綾
「01年、米。政治家志望の恋人に別れを切り出された女子学生が、彼の気持ちを取り戻そうと奮闘する。裕福な家庭で育ったエル(ウィザースプーン)が、結婚を望んでいた恋人のワーナー(マシュー・デイビス)に別れを切り出された。エルのブロンドの髪が政治家を目指す自分の妻にふさわしくないからだという。納得のいかないエルは、猛勉強してワーナーの通うハーバード大のロースクールに入学。ワーナーと再会するが、彼は既にビビアン(セルマ・ブレア)という婚約者を見つけていた。ビビアンに邪魔者扱いされたエルは一念発起。優秀な法律家になろうと奮闘する。」

 パターンものといえばそれまでですが、こういう話、結構好きです。一見、おばかさんに見える人物が実は……という。まぁ、これまでの「ブスでおばかさん」が「金持ちの美女」になっているのが新味なんでしょうが。でもこれって金、容姿ともに恵まれない人間にはちょっとムカツク設定ではあります。

 異端児が独自の視点で難問をクリアしていくというのも王道、最初に自分をふった男をふりかえすのも王道。しかし、王道を笑うものは王道に泣く。決してバカにはできません。

 ちなみにブロンドは好きでも嫌いでもありませんが、グラマーな美女は好きです。

アニメ映画劇場・パルムの樹

 BSで6日〜9日はアニメ劇場だったんですね。一昨日のアリーテ姫もそのプログラムの一つ。四作品中、見ていないのは昨日の「雲のむこう、約束の場所」のみ。「ほしのこえ」の新海誠監督による初の劇場長編作品だそうで、これを見逃したのは痛かったです。

 「パルム」も劇場で観ました。好きな作品ではないのですが、コンセプトは非常に創作意欲を刺激するものでした。

 当然すぎるのか誰も口にしませんが、「ピノキオ」を土台にしています。

「不思議な生物と不思議な町が混在する地上世界アルカナ。植物学者フォーによって作られた木の人形「パルム」が数々の出会いを経験しながら人間の体を手に入れる為に旅立つ」

 この作品を私が評価している点は、「パルム」がなりたくてなりたくて仕方のない人間というものに、自身が知らないうちに次第に近づいていくところを見事に表現していることです。

 「パルム」は人形ですから、肉体的にはあくまで人にはなりえません。しかし、心の部分はどんどん人に近づいていくのです。それも、あまりにも生々しい人間らしさ。初めは純粋無垢であった「パルム」は、次第に傲慢、欺瞞、嫉妬などの感情を形成していきます。

 特に衝撃的なシーンは、「剣」という力を持ったパルムがそれを試したくなり、「罪」を犯してしまうところ。彼は自分の犯した罪の重さにおののき、罪を「隠蔽」しようとして「嘘」をつきます。

 「パルム」が愛すべき「人形」から、不快極まりない存在である「人」へと変貌していく物語。それが私がこの作品を好きになれない最大の理由であり、逆に最も価値のある点であると考えています。


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