ロバの耳
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2005/11/20(日) 私事・パソコン掃除
 最近、あまりにPCの電源落ちが頻繁で、どうしたものかと思っているのですが、今日もゲームをしていたらいきなり落ちたので、思い切ってカバーを外して中を見てみることにしました。

 落ちる原因はわかっていて、熱暴走です。フィンが油断をしていると止まっていて、バチンと落ちるのです。友人のSに勧められてフィンの動きとPC内の温度が表示されるソフトをインストールしたら、普通の温度は30〜40℃なのですが、ゲームなどCPUに負担をかけると50℃以上にあがることがわかりました。CPU付近についているフィンも動いていないのではないか、というSの指摘。

 で、カバーを外したのですが……中は大変な埃。CPU付近のフィンなんて真っ白け。掃除機とエアースプレーを駆使して埃をとばしまくりました。これで少しは電源落ち、おさまってくれるといいのですが。

2005/11/19(土) 本・「噺の背景」石井明 朝日新聞社
 「落語を検証する。
 西行、与太郎、幇間、遊女など、噺に登場する人物の伝承や風俗の背景にわけ入り、冥土や幻術の不思議も活写していく。噺を面白く聴き、愉しさが倍加する落語の考証読み物である。狂歌から落語への形成に関わる「木室卯雲の足跡」を併録」(帯より)

「冒頭で、落語を聴くのに予備知識はいらない、みんな噺のなかで説明されていると言いましたが、落語を演じるうえでは、理屈っぽさはもっとも嫌われますから、噺家さんは必要最小限度のことしか説明をしません。
 落語は気軽に楽しむものですから、それでよいのだともいえますが、噺を聴くうえでは、背景となる知識が、より幅広く、深くあったほうが、噺を何倍にも面白く聴けることも確かなことです。
 本書では、噺家さんの言わない噺の背景となる時代風俗などをさまざまな角度から、少々理屈っぽく解説することにしました」(あとがきから)

 先日、東京に行ったおり、古本屋に一冊五百円で山積みになっていたものです。面白そうなので買ってみました。

 帯にもある通り、西行から遊女のくだりまでは面白いのですが、終盤の冥土、幻術、「木室卯雲」の部分は資料説明が多いのと落語とのダイレクトな関連性が薄いように感じられ、退屈で読書スピードが落ちました。

 与太郎のくだりはいろいろな噺の与太郎さんを一人の人物として考え、「この噺は与太郎が○○才の頃のことと思われる」などと評伝式にしていました。同一人物だとは考えたことがなかったので面白かったです。

 また、遊女のくだりは吉原の大夫、花魁だけでなく、街角の夜鷹のことを詳しくとりあげ、比較対照などしています。小説の主人公にしたいようなカッコイイ夜鷹さんも紹介されていますが、それにしても女を売る商売というのは大変だったろうと思います。

2005/11/18(金) 本・「江戸前の男」吉川潮 新潮文庫
 最初の入門にしくじって、出戻りから、春風亭柳朝の落語人脊ははじまった。気っ風うが良くて喧嘩っ早い、そのうえ野暮が大嫌い。おまけに酒と博打には目がなくて、女も好きの道楽三昧。しかし、落語のセンスは抜群で、やがて、立川談志・三遊亭円楽・古今亭志ん朝に並ぶ四天王の一角を担うようになったのだった……。粋を貫きとおした、これぞ江戸っ子芸人の破天荒な生涯を描く。(新潮文庫カバー裏より)

 落語聞き友達のSから面白いよ、と聞いてずっと探していた本をようやく手に入れることができました。六年前に出たばかりの文庫だというのに、すでに絶版になっていて新刊では手が入らず、古本屋をまわっても見つからず。Sは図書館で借りて読んだので、手元には持っていなかったのです。

 手に入れることができた顛末は数日前の日記に書きましたが、そこまで恋い焦がれた本書を、刊行された六年前……いや、Sから話を聞いた当初ですら、私はまったく読みたいとは思いませんでした。その頃は主人公である春風亭柳朝のことをまったく知らなかったからです。柳朝が小朝の師匠であることも知りませんでしたし、七代目林家正蔵の弟子だとも知りませんでした。

 それが急展開したのは、やはりSが図書館から借りた柳朝のCDの音源を聴かせて貰ってから。Sは本書を読んで柳朝の「大工調べ」を聞いてみる気になったらしいのですが、借りた本人は期待はずれだったようです。元々彼は、落語を音だけでは楽しめない派ですから。ところがこれで私は柳朝にはまりました。「大工調べ」自体には確かにそんなに惹かれはしなかったのですが、一緒に収録されていた「天災」にはまったのです。なんて面白くて粋でカッコイイ喋り方をする噺家だろうと。けれんなく淡泊にトントントンと噺を運んでいくそのスタイル。そのくせくすぐり部分の面白さと言ったら。志ん生のように笑わせにかかっているわけでもないのに凄くおかしい。

 それから私はCD屋で売っている柳朝のCDを買いまくりました。と、言っても残念なことに、売られている柳朝のCDはそんなに多くはありません。どうやら忘れかけられている噺家らしいのです。

 いったい、どんな人だったんだろう。ファンになればその人となりにも興味が及びます。そこで改めて、「江戸前の男」が無性に読みたくなったというわけです。

 おかげで手に入れるのに苦労しましたが、その手順を踏んで良かったと思います。柳朝の落語を聞き込んだおかげで本書のセリフは読む端から喋り口が再現できますし、紹介されているエピソード当人とすんなりリンクしてくる。生前の故人をまるで知らないくせに、「柳朝ならやりそう」という感覚が、よりリアルに伝わってくるのです。

 どうしてこんなに面白い本が新刊で手に入らない状態になってしまったのか。落語家の裏事情(特に談志について)書かれているので、出版社側に圧力でもかかったんでしょうか。そしてあんなに面白い柳朝の落語がどうしていまいちマイナーになってしまったのか。音源はたくさんあるはずです。もっとCD化して欲しいです。

 それにしても、昭和の行動経済成長期に活躍した人気芸人さんはみな命が短いですね。三平、馬生、志ん朝、柳朝……戦後の貧しさからの反動で美食や酒、そしてマスコミなどの発達で過剰な労働が彼らの命を削ったのでしょうか。

2005/11/17(木) DVD・「夢のチョコレート工場」監督/メル・スチュアート
 キャスト/ジーン・ワイルダー、ジャック・アルバートソン、ピーター・オーストラム

 1971年に制作されたもの。ごく最近、「チャーリーとチョコレート工場」としてリメイクされました。

 ミクシィの紙魚子さんはこの映画を見てリメイク版を観に行くのを楽しみにしていたのだそうで、彼女の言う「インパクトのある映像」というのがどんなものなのか、興味があったので見てみました。いえ、CGを使えばなんでも映像化できる今とは違う35年前は、同じ作品をどういう工夫で料理しているんだろうと思ったのです。

 これが思った以上に楽しめました。チープな部分はもちろんチープです。全て実物大に作られたセットか、特撮はブルーバック合成ですから。でも、そのぶん、リアリティというか、奥行きがあるのです。昔の映画は。空間的に広がりを感じるというか。ロケ地となったミュンヘンの町がとても美しい。

 それにブルーバック合成や、オープンリールを使っているコンピュータなども、物語がファンタジックなおかげでそれほど変に見えない。多くの点でリメイク版にまさるとも劣らないデキなのです。実に頑張っている。

 ただ、やはり当時の技術ではできないこともありました。リスのシーン。どう撮ってるのかなと楽しみにしていたら、「金の卵を産む鶏」という設定に変更されていました。もっとも、リメイク版でもリスのシーンは本物のリスを調教して使ったという話なので、こればかりはCGの手柄ではないのですが。ひょっとしたらあのシーンをCGなしで撮って見せたことがバートン監督の前作に対する一番のこだわりだったかもしれません。

 それにしても、リメイク版がもう一度見たくなりました。早くDVD化されて欲しいものです。

2005/11/16(水) 漫画・「ふたつのスピカ5〜8」柳沼行 
 4巻まで読んでやめていた「ふたスピ」ですが、上京時に5、6を買ったら再燃してしまいました。

 4巻読了時点で主人公アスミの恋愛に話が流れてしまいそうな雰囲気があり、続巻を読む気を失っていたのですが、またちょっと気がむいて買ってみたわけです。

 いや、買って良かった。面白い。単にせつないさを軸とした恋愛、友情物語だったら、私の場合は読み続けられないのです。宇宙学校での飛行士となるための訓練として「元刑務所からいかに脱出するか?」などの課題を主人公たちがいかにクリアするか、という謎解きめいた趣向。そしてそれをクリアするに従って着実に自身も友情も成長させていく主人公たち。

 特に7巻、8巻は最高の面白さでした。ここに辿りつくまでにこれまでの過程があったわけです。そしてまだ物語は完結したわけではない。どうか今の状況も、これからのストーリーが面白くなっていくための過程であって欲しいです。

2005/11/15(火) 映画・SAW2 監督/ダーレン・リン・バウズマン
 【出演】 トビン・ベル、ティム・バード、ジョン・ファロン、フランキーG、エリック・ナドセン、ダイナ・メイヤー、ビヴァリー・ミッチェル、トニー・ナッポ、ドニー・ウォルバーグ

 公開から一年、全世界を衝撃に陥れた、『SAW−ソウ−』の続編が誕生した!前作の監督・脚本のコンビが、前作を超える≪ソリッド・シュチュエーション=状況設定≫を作り上げた!!

   目覚めると≪金庫≫がおいてある部屋
     出口のない≪館≫に集められた8人の男女
            “さあ、≪ゲーム≫をしよう”
  それぞれに≪作ら≫れたゲーム
      ひとりずつ≪消≫えてゆく・・・
 外に出られる≪ドア≫はどこにあるのか?

 ついに前作の謎が明かされ、よりスリリングに、よりソリッドに展開する!見逃すな!!!!!
(ForteTOHO7より)

 前作の方が面白かったです。

 続編としては正統的な続編です。ただし、謎解きや意外性がありません。殺人犯であるジグソウの出す謎はとても簡単なもので、それを単に人間の業のようなものが邪魔してどつぼにはまるという展開。提示された謎が放っておかれてしまい、心理的な破綻の方に走ってしまうのが残念です。シニカルなヒューマンドラマ好きな方はいいかもしれません。

 痛い画が苦手な人は見ない方が良いでしょう。「これは痛い、痛いぞ〜」というのがたくさんでてきます。思わず顔をしかめることうけあい。

2005/11/14(月) 頂き物・本と黒豆茶
 きりん舎さんから本を借りたり、頂いたり、黒豆茶を頂いたりしました。

 お借りした本は岡本綺堂著「半七捕物帳」の(三)から(六)。 

 以前にも話しましたが、(一)は自分で持っていて、(二)は以前にお借りしたのです。先日の上京のおりに残り全巻貸して頂けることになっていましたが、手違いでわざわざ送ってもらうことになってしまったのでした。

 それから森博嗣著「女王の千年密室」。

 これは特に読みたいわけではなかったのですが、前に書いた自作にシチュエーションが似ているということと、箱のスペースを埋めるために送って頂きました。読了に時間がかかりそうです。森博嗣は「すべてがFになる」しか読んだことがありません。読みやすくはあったのですが、今は現役日本人作家の書いたミステリは滅多なことでは読む気になれないのです。きりん舎さん、返却は覚悟して待ってくださいね。

 頂いた本……というか、「もしよろしかったら」とか言われると「ええぜひ」ともらってしまう性分なので、頂いたことにしてしまった本は、吉川潮著「江戸前の男」です。

 この本はずっと探していた本で、今回ようやく手に入れることができてとても嬉しいです。ここのところずっと柳朝の落語にはまっていて、凄く読みたかったのです。

 それにしても不思議なのは、前々回の上京の時、この本の捜索に付き合ってくれたメンバーの中にきりん舎さんもいたのに、この本を持っていることを一言も口にしなかったことです。そういうわけで灯台もと暗しというか、意外なところからの入手でした。

 それからこれまた箱のスペース解消のためか、「黒豆茶」が入っていました。さっそく入れて飲んでみました。

 香りはほうじ茶で、味は豆の味。炒った豆ですから当然ですが。出し殻の豆も食べられるということで食べたらこれが美味。気分は節分、落語の「厄払い」の与太郎です。

2005/11/13(日) ドラマ・「新作トリック」
 これはミステリとしてよく出来ているドラマ、というより、ドラマとしてよく出来ているドラマ、というべきでしょう。

 不条理なギャグの連続の中にシリアスな展開を盛り込ませることで、トリックのちゃちさやストーリーの破綻などを見事にごまかしている。これが真面目なドラマ作りですと、インチキ占い師が奇蹟を演じてみせるのに、私でも知っているようなカード手品を使うなど言語道断、そこで見限ってしまいます。

 しかし、くだらない駄洒落やパロディを連続させることでトリックそのもののチープさもその中に埋没し、不自然さが薄れてしまう。これは泡坂妻夫などがよく使う(使っていた?最近のは読まないので)手で、それ自体が巧妙なトリックとも言えるものです。つまり、これはフィクションだよーという開き直りをギャグとして見る側に許容させ、そのことでシリアス部分のフィクションにリアリティを持たせる効果を得ているわけです。

 ただし、これはこういう世界観というか、ギャグの感性が許容できる人にのみ通用する手口です。それを拒絶してしまう人は嫌悪感すら感じるドラマでしょう。

 こういう作品が視聴率を取るということは、そういう感性の日本人が増えているということでしょうか。

2005/11/12(土) 雑誌・「歴史群像12月号」学研
 東京に行っていろいろ本を買って戻ってくると、定期購読している「歴史群像」が届いていました。読み物ばかりがたくさんたまっていきます。

 以前、大和ホテルの話などしましたが、今月号には1分の1スケールの大和の記事が載っていました。

 ただ、1分の1とは言っても、再現されているのは第二砲塔から副砲、そして機銃の銃座部分だけ。映画用のセットとして使用されたものです。

 その実物大映画撮影セットは広島県尾道市で公開されています。もちろん行ってみたいのですが、来年の3月いっぱいで解体されてしまうということで、残念ながら行く機会はなさそうです。

 このセットが使われた「YAMATO男たちの戦い」は12月17日に公開します。

 (追記・雑誌には3月で解体と記載されていましたが、角川と尾道市の話し合いの結果、保存が決まったそうです。これはいつかぜひ観に行かねば)

2005/11/10(木) 落語・「かんしゃく」柳家小三治
 東京での滞在先の友人が、図書館から落語のCDを借りてデータ化してメモリーカードに落としておいてくれました。ありがたくも羨ましい。私の家の近くにも、落語のCDを揃えている図書館があるといいのですが。

「かんしゃく」「提灯屋」 柳家小三治
「御神酒徳利」「豊竹屋」 三遊亭圓生

 この中では「かんしゃく」が一番良かったです。面白いし、ストーリーが好き。

 かんしゃくもちで小言ばかり言う旦那の元に嫁いだ静子さん。主人を迎えに出ない、玄関が散らかっている、庭に水がまかれていない、蜘蛛の巣が張ってる……と文句を言われ通し。
 ついに我慢ができなくなり、「お暇をください」と願い出て実家に帰りますが、そこで父親に諭されます。
「自分一人で何でもやろうとするから行き届かないんだ、用事は分担して全て使用人にやらせて、おまえはそれを采配すればよい」
 家に戻ってそうしてみると、驚くほど家の中が片づきます。主人は文句が言いたくても文句が言えず。
「これじゃオレが怒ることができないじゃないか!」

 このかんしゃく持ちのガミガミ亭主、憎まれ役なのですが、小三治がやるとどこか愛嬌があっておかしいし、変な話ですが可愛げすらある。静子さんは最初はゆとりがなくそのガミガミぶりをまともに受けてしまうのですが、アドバイスを受けて万事行き届かせることができるようになってからは、その亭主の「可愛げ」に気がついている感じです。

 落語で語られる夫婦関係で好きなパターンで、夫よりも上手な妻が、つまらないことでえばりちらしたり、できもしないのに虚勢をはる夫をうまく操縦する、というのがあります。変なプライドを持って強がる男に対して、女はそれを許容する懐の深さを持ちつつ、うまく誘導して手柄をたてさせる。

 「御神酒徳利」もある意味このパターンで、妻の入れ知恵で夫が失敗をとりもどす……どころかそれによって逆に利益を得てしまうという話。

 そういう話が好きなのは、決して「女性は前に出ずに陰で男性をささえていればいいんだ」という気持ちからではなくて、男の滑稽さがおかしいのと、陰で操る女性がカッコイイからです。いわゆる「和豊の妻」的なパターン。

 実生活ではそんな女性とは一緒になりたくないですね。知らぬうちにいいように働かされて命を削られるのはごめんです。
 

11月絵日記の続き


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