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2005/11/13(日)
ドラマ・「新作トリック」
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これはミステリとしてよく出来ているドラマ、というより、ドラマとしてよく出来ているドラマ、というべきでしょう。
不条理なギャグの連続の中にシリアスな展開を盛り込ませることで、トリックのちゃちさやストーリーの破綻などを見事にごまかしている。これが真面目なドラマ作りですと、インチキ占い師が奇蹟を演じてみせるのに、私でも知っているようなカード手品を使うなど言語道断、そこで見限ってしまいます。
しかし、くだらない駄洒落やパロディを連続させることでトリックそのもののチープさもその中に埋没し、不自然さが薄れてしまう。これは泡坂妻夫などがよく使う(使っていた?最近のは読まないので)手で、それ自体が巧妙なトリックとも言えるものです。つまり、これはフィクションだよーという開き直りをギャグとして見る側に許容させ、そのことでシリアス部分のフィクションにリアリティを持たせる効果を得ているわけです。
ただし、これはこういう世界観というか、ギャグの感性が許容できる人にのみ通用する手口です。それを拒絶してしまう人は嫌悪感すら感じるドラマでしょう。
こういう作品が視聴率を取るということは、そういう感性の日本人が増えているということでしょうか。
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