ロバの耳
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2006/08/14 お盆
2006/08/09 おとぎばなし
2006/07/30 殺しの儀式
2006/07/28 大雨と長靴

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2005/10/11(火) フリーソフト・Mitaka
 創作上の都合で天体観測および宇宙旅行ができるソフトを検索していたら、フリーソフトで「Mitaka」というなかなか凄いものがありました。

「概要

Mitaka は、 国立天文台 4次元デジタル宇宙プロジェクトで開発している、 天文学の様々な観測データや理論的モデルを見るためのソフトウェアです。 地球から宇宙の大規模構造までを自由に移動して、 宇宙の様々な構造や天体の位置を見ることができます。 独立行政法人科学技術振興機構 計算科学技術活用型特定研究開発推進事業(ACT-JST) 「4次元デジタル宇宙データの構築とその応用」 の成果物です。

このソフトウェアは2003年6月の4次元デジタル宇宙シアター一般公開から、上映用のソフトウェアとして使われています。

基本的には、4次元デジタル宇宙シアターの上映用ソフトウェアとして開発していますが、 1台のPCでも動くように設計されています。」

http://4d2u.nao.ac.jp/DOWNLOAD/CONTENTS/MITAKA/index.html

 さっそくダウンロードしてやってみると、うちのPCでもなんとか動きました。ところが、ウインドウを拡大しようとすると止まってしまいます。もっといい性能のPCが欲しい……。

2005/10/10(月) 本・「天井のトランプ」泡坂妻夫 講談社文庫
 6日に触れた「面白い本」とは別なのですが、これもまた面白い本には違いありません。ひさしぶりに本棚から引っ張りだしてパラパラとめくったら、つい全部読んでしまいました。

 泡坂妻夫は一時期、はまっていた作家ですが、読まなくなってから十年くらいたちます。原因は直木賞を取ってからミステリの新作をあまり出さなくなったことと、文章、特に登場人物の名前のセンスにユーモアがありすぎて、ケレン味を感じるようになったことからです。

 本書の魅力は手品をネタにした切れ味鋭いトリックはもちろんなのですが、なんといっても主人公の曾我佳城です。知的で美しい元女奇術師。まだ三十を過ぎたばかりの未亡人です。

 本作が出たのは昭和五十五年、もう二十五年も前ですが、その頃の三十才って今よりもずっと大人に感じられますね。私もすっかり彼女より年が上になってしまいましたが、精神年齢は彼女の方がずっと上な感じがします。また、こういう年上の綺麗な女性タイプには弱い。音無響子症候群≠ニでも申しましょうか。そういえば響子も最後の年齢は二十七でしたが、今の私よりもずいぶんと大人っぽい感じがします。(注・響子さんは漫画「めぞん一刻」のキャラクター)

 最近、またちょっとした手品ブームですが、良く行われているネタに、観客に選ばせたカードを好きなところに入れさせて、マジシャンがトンと指で叩くと一番上に上がってくる、というネタがあります。また、カードを破るなどして目印をつけ、それをレモンなど果物の中から出してみせる、というネタも。これらは実はマジックの基本中の基本、古典中の古典として、本作品中でも取り上げられているマジックです。本作でも優れたマジックは時代を超えて再演されていくと語られていますが、まさにその典型なのでしょうね。

 本書は短編集なのですが、以前、読んだ時とは「いいなぁ」と思う作品が変わりました。今回読んで一番良かった話は「空中朝顔」。この話は七つの短編の中では唯一、主人公の佳城さんがほとんど活躍しない話で、トリックの面から見てもそんなに驚くようなものではないのですが、叙情的というか、とにかく雰囲気がいい。

『空中朝顔』
 朝顔の品評会で不思議な朝顔が咲いていました。地面から伸びているべき茎がなく、花だけが空中で咲いているのです。一人の麗人がその前で足を止め、熱心に観察したあとで譲って欲しいと申し出ますが、この作品は事情があって譲れないと断られます。

 亡くなった父親の趣味を受け継いで、朝顔作りに手を染めた秋子は、毎朝浴衣姿でジョギングをするという変わり者・裕三と、顔を合わせているうちに親しくなります。やがて結婚を申し込まれますが、裕三はまだ学生で秋子よりも年が下。親戚からは財産目当てだ、遊ばれているだけだと反対されますが、二人は結婚をします。

 ところがその裕三は「キミをきっと驚かせるような朝顔を作る」と言った年に、スキー事故で亡くなってしまいます。そのスキーには同年代の若い女性も一緒に行っていた様子。それみたことか、他に若い恋人を作っていたのだと責められる秋子ですが……。

 空中で花を咲かせている不思議な朝顔の前で足を止め、熱心に観察していたのが曾我佳城なのですが、この短編集中最も短い話は、最も味わい深い話となっています。

 「天井のとらんぷ」は恐らく講談社文庫では絶版でしょうが創元推理文庫から出ていますし、「曾我佳城全集・秘の章 戯の章」として講談社文庫から出ています。

2005/10/09(日) 私事・御神輿
 お昼過ぎに窓の外からやたらと大きなスピーカーの音声が聞こえてきました。間近に控えた県知事選の宣伝かな……と思いきや、内容は以下の通り。

「皆様、こちら八幡神社でございます。ただいまより、御神輿様がお通りになられます。どうぞご家族そろってご参拝ください」

 神輿の宣伝カーでした。うーん、時代だなぁ。

 そういえば、23日投票の県知事選投の呼びかけCMに、楽天イーグルスの選手たちが起用されています。宮城県限定お宝CMですね。(他県にそんなにファン、いないか……)

2005/10/08(土) 気になるニュース・人食い猫
 「特養入所の80代女性、猫にかじられ右足指すべて失う (読売新聞)

 埼玉県北埼玉郡の特別養護老人ホームで6日、入所者の80歳代の女性が猫にかじられ、右足の指をすべて失うけがを負っていたことが8日、わかった。

 同ホームによると、6日午前5時過ぎ、同室者からのナースコールで呼び出された職員がけがに気づき、119番通報した。女性は右足の指をすべて第1関節付近から失っており、左足にもひっかき傷があった。

 その後、ホームの中庭に住みついていた猫の口元が赤くなっていることや、女性のベッド周辺に猫の足跡があることが判明。同ホームは保健所に通報し、猫は捕獲された。けがをした女性は認知症で、寝たきりだった。

 同ホームによると、女性の部屋の窓は事故直後、30センチほど開いており、窓の外に取りつけられた網戸の一部が破れていたため、猫が入り込んだらしい。同ホームは「網戸の点検が不十分だった」として、女性の家族に謝罪した。」

 ……恐。

アニメ・「BLOOD+」

 TBS土曜六時というガンダム枠≠ナ始まった新作アニメ。1話を見た限りでは綺麗で丁寧な絵作りをしています。

 沖縄を舞台に翼手≠ニいうモンスターと戦う、日本刀をふるう女子高生の話。漫画は月刊エースで連載している様子。1話では主人公が覚醒までいかなかったので肝心のアクションは見られていませんが、これで動きが良ければ期待できるアニメかと思います。

原作:Production I..G・Aniplex
監督・シリーズ構成:藤咲淳一
演出チーフ:松本淳
キャラクターデザイン:箸井地図
アニメーションキャラクター・総作画監督:石井明治
美術監督:東潤一
色彩設定:片山由美子
メカデザイン:寺岡賢司
撮影監督:田中宏侍
3D監督:遠藤誠
デザイン協力:寺田克也
企画協力:押井守

公式サイト
http://www.blood.tv/

2005/10/07(金) 映画・「エイリアン VS ヴァネッサ・パラディ」
 監督 ディディエ・ポワロー
 出演 ヴァネッサ・パラディ

 片田舎の小さな町スコットレット。フェスティバルに参加するために街を訪れたスタントマンのジェームス・バタイユは、ステージで歌う美女コンチャ(ヴァネッサ・パラディ)にひとめぼれ。互いに惹かれあった2人は、電光石火で恋に落ちるが…

 歌手を夢見る街一番のセクシーな娘が、フェスティバルに参加するためにやってきたスタントマンと恋に落ちる。そんな中、なぞのエイリアンが突如街に来襲、人々を次々に血祭りにあげていく。2人の仲を引き裂こうとする周囲の画策、宇宙からの侵略者…ついにエイリアンvs人類の熾烈な戦い=フェスティバルの幕が開いた。
(作品資料より)

 池袋シネマサンシャインほか全国にて順次公開

 来月の3日に上京する予定なのですが……この映画、それまでやっていてくれるかなぁ。

 題名からして、なんともB級の匂いがぷんぷんします。ヴァネッサ・パラディがどうしてエイリアンと戦わなくちゃいけないのでしょうか。

 これまでうっかり知らなかったのですが、ヴァネッサってジョニー・デップの奥さんだったんですか? 子供が二人もいるんですか?

公式サイト
http://www.avvp.jp/

2005/10/06(木) 私事・栗ご飯
 今、とっても面白い本を読んでいます。
 でも、それは読み終わってから紹介します。

 今日は朝、昼と栗ご飯でした。
 そのせいで、お腹が張っています。苦しいです。

 画像もなしでごめんなさい。

2005/10/05(水) 野球・私立樟南高校野球部、飲酒で岡山国体への出場辞退
 「鹿児島市の私立樟南高(時任克暢校長)の野球部員12人を含む3年生計17人が1日深夜、校内で文化祭の慰労会と称して飲酒していた。同校は5日、日本高野連に岡山国体への出場辞退届を提出し受理された。日本高野連は19日の審議委員会で処分を検討するが、県高野連は開催中の秋季高校野球鹿児島大会の出場については1、2年生による新チームのため問題ないとしている。

 同校などによると、17人は1日午後11時ごろ、校内に缶チューハイ(350ミリリットル)を持ち込み計30本を飲んだという。野球部員12人のうち11人が飲酒し、2人が3本、残る9人が1〜2本を飲んだ。騒ぎに気付いた住民の通報で警官が駆け付けたため、1人を除いて逃げたが、その後、学校の調査で部員らの飲酒が分かり、3日県高野連に報告した。

 時任校長は「今夏の甲子園でベスト8まで行きながら、このような不祥事を起こして大変申し訳ない」と話した。

 同校は春7回、夏16回の計23回甲子園に出場している常連校。【大塚仁】[毎日新聞10月5日]」


 最近、高校の硬式野球部の不祥事が大きくとりあげられることが多くなりました。暴力問題やら、喫煙問題やら、飲酒問題やら。

 自分も元高校球児でして、コーチからの暴力を受けたり、受ける現場を目撃などしたこともありますが、当時は別に問題行動だとは思いませんでした。そうされるだけの理由があったので、みんなもなんとなく納得してたんです。

 喫煙や飲酒は、野球をマジメにやってるとやれないものです。体力が落ちるからです。飲酒どころか、部員である間は炭酸飲料やスナック菓子すら禁止でした。まぁ、それくらいのことはやっている人はやっていたでしょうけれど。

 でも、実は飲酒はしたことがあるのです。それも、野球部の三年生全員が。

 もう時効でしょうし、私らの代の飲酒で今の母校の後輩たちに迷惑がかかることもないと思うのですが、それは三年生最後の試合の後の夜のことです。一人の部員の家に全員が集まって、打ち上げというか、三年生引退パーティをしたのですが、その時、みんなでビールで乾杯をしました。

 ほとんどの部員にとってそれは、「別れの杯」のような感覚だったと思います。実際問題、お酒の味が好きで酒を飲む高校生って、少ないと思いますけれどね。

 でも同年、やはり三年生のお別れパーティみたいなので盛り上がり過ぎたラグビー部は、学校の外で大騒ぎを起こして問題になり、謹慎処分をくらっていたような記憶があります。

 まぁ、それまで休みもなく辛い練習の日々ばかり送ってきた運動部の三年生の引退直後って、そういうちょっとたがのはずれるようなところがあるんです。

 もちろん樟南高校の場合は、国体出場が決まっていたわけですから、もう少し我慢しているべきだったのかもしれません。でも、高校最後の(そして恐らく唯一の)文化祭を、楽しみたかったという気持ちも良くわかり、ちょっと同情を感じます。

2005/10/04(火) 私事・それぞれの必殺技
 朝、起きた時、気持ちが悪いうえに頭が痛く、鼻水はでるわくしゃみはでるわ、喉の奥はいがいがするわで、どうも調子が思わしくありません。でも、風邪をひくようなことは何一つしていないはずなので、気のせいだと思って仕事に行きました。

 仕事が終わるころになり肺の上の方が痒くなって咳が出て、鼻の奥の方がツーンとして寒気がしてくるにいたり、ああ、これはひょっとしたら風邪かもしれないな……と思い始めました。

 こんな時、人はそれぞれ必殺技を持っておくと良いのだそうです。思い込みの激しい友人Sの持論なのですが。

 まず、「これをすれば一発で風邪が治る!」という必殺技を一つ用意しておく。そして風邪をひいた時にそれをして、「治った!」と強制的に思いこむ。これを本気でしていると、次第にその必殺技は、本当の必殺技になっていくのだそうです。

 果たしてそこまでのものになっているかどうかわかりませんが、私の場合、風邪をひいたら「しょうが湯」を飲むことにしています。すったしょうがと蜂蜜を熱いお湯でまぜるという単純な飲み物ですが、私の場合、喉から来ることが多いので、喉や鼻はすっきりします。

 ちなみにこの考えは風邪だけではなくて、「頭痛の時は……」とか「眠気覚ましには……」とか、いろいろ応用がきくわけです。

所詮人間なんて思い込みの動物というわけですか。

2005/10/03(月) 本・「欧米推理小説翻訳史」長谷部史親 本の雑誌社
 原書を読む語学力がないゆえに外国の小説は翻訳に頼らざるをえないのですが、そうなると原作者の文章力と同程度かそれ以上に、訳者の文章力の有無が重要になってくるわけです。

 本書のディクスン・カーのくだりでも触れられているように、訳の出来不出来によってその作家の日本での人気・不人気、評価等がさだまってしまうわけで、その点カーは不運な作家と位置づけられておりますが、ここで紹介されている訳者ではない方の訳にもかかわらず、私もカーを読んで面白いと思ったことのないミステリ・ファンの一人です。

 実際、文章としてごたつきのある訳というのは読み手を拒絶するようなところがあります。私は常々、海外のミステリ作家ではコリン・デクスターやP.D.ジェイムスが好きと言っていますが、それは大庭忠男さんや青木久恵さん(もちろん小泉喜美子さんも)の訳が好みにあっている、と言っても過言ではないのかもしれません。

 それにしても、他の分野ではどうかわかりませんが、訳というのも一度されるとそれが既得権のように認識されるのか、ミステリの古典とされている作品で、戦前から活躍されていらっしゃる方の訳がいまだに使われていることが多いのに驚きました。新潮社のホームズ・シリーズの延原謙など、大正末期から昭和初期にかけてすでに活躍されている方なのですね。

 名作ばかりではなく、名訳も時代を超えて残っていくということでしょうか。

2005/10/02(日) 本・「あなたに似た人」ロアルド・ダール/田村隆一訳 ハヤカワミステリ文庫
 映画「チャーリーとチョコレート工場」の感想を書いた時に少し触れました原作者ロアルド・ダールの「あなに似た人」、読み直してみました。皮肉たっぷりの短編集です。

「その夜、ロンドンのスコウフィールド家の晩餐の席でひとつの賭がなされた。美食家を自認する客のリチャード・プラットが、食卓に出た珍しい葡萄酒の銘柄を判定できると言いだしたのだ。賭け金はプラットの邸宅と当主スコウフィールドの令嬢──絶大の自信を持つ当主は、その賭けに同意したが……!
 一篇の短篇小説の中に幻想とユーモアと恐怖をちりばめた、奇妙な味の短編を数多く発表している鬼才ダールが、賭博に打ちこむ人間の心の恐ろしさをテーマに描いた珠玉の掌篇十五篇を収めた代表的短編集!」

 ネタやオチは、わりと単純なものなのです。でも、展開に漂うサスペンスとユーモアが読ませます。

 例えば、昔の子供向けミステリ・クイズで必ずネタにされていた「おとなしい凶器」。
 夫に離婚を宣言された妻が、衝動的に凍った羊肉を凶器にして夫を殺害するのですが、それを調理して捜査に来た警察官たちにふるまいます。
 喜んで食べる彼らに、犯人である妻は思わずクスクスと笑ってしまうのですが、これがしてやったりの悪意のある笑いではないところがまた恐いのです。

 また「南から来た男」は、一発でつくと言われるライターを持っていた青年に、十回連続がつくかどうか、自分のキャデラックとあなたの小指を賭けようともちかけてくる男の話。「必ずつく」という確信が、小指を失うという重みによって揺らがされ、緊張が張りつめます。

 個人的にはそういう賭け事にまつわる緊張感というのは苦手なのでパチンコにすら手を出していませんが、「至上の幸福、さもなくば破滅」という二者択一の強いる緊張というのは、どこか人を魅了してしまうものがあるのでしょう。

10月絵日記の続き


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