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2005/10/14(金)
本・「心は孤独な数学者」藤原正彦 新潮文庫
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「天才中の天才ニュートン。ニュートンの「プリンキピア」を12才で読破した早熟の天才ハミルトン。ヒンドゥーの女神のお告げを受け、新定理を量産した神がかりの天才ラマヌジャン。天才はなぜ天才なのか。才能ゆえの栄光、が、それと同じ深さの懊悩を彼らは抱え込んでいたのではなかったか。憧れ続けた3人の天才数学者の人間としての足跡を、同業こその理解と愛情で熱く辿った評伝紀行。」(文庫本カバー裏より)
創作の必要性からネットでインドのことを調べていたらラマヌジャンに行き当たり、実に興味深い人物だったので、そのサイトで紹介されていたこの本をさっそく注文して読みました。
法則や新定理の発見というのは、そこまでの学者たちの業績の積み重ねによって生まれてくるという常識に反して、無から次々と定理を生み出したラマヌジャン。その眩しいほどの天才の影には、彼を支配しようとするグレートマザー・コーマラタンマルと若き妻ジャーナキの確執、彼の生まれたインドという世界の混沌、宗教上の戒律、人々の無理解等々、様々な暗部がありました。
本書は3人の天才の伝記でありながら、彼らの出身地を旅する紀行文ともなっており、ラマヌジャンのみならず現代インドの状況、風俗、歴史観なども詳しく書かれていて、意図せずしてラマヌジャンを検索し当てることになった当初の目的も、同時に達成することができました。
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