ロバの耳
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2005/01/01(土) 本・銭形平次捕物控(八)『お珊文身調べ』野村胡堂/嶋中文庫
 「平次がガラッ八を誘って出かけた文身自慢の会≠ナ、最期に飛び込んできた男の下腹部には、見事な蛇が彫られていた。さらに、その男を逃すように現れた美しい女の上半身には、十二支のうち、七つまでが…。はたして、ふたりは平次の追う十二支組の残党なのか──。表題作「お珊文身調べ」など十編を収録」
(カバー裏より抜粋)

 まずこの表題作で気になるのは、「お珊」の「文身」の読みでしょう。「おさん」と「ほりもの」と読みます。平次の背中の六文銭の入れ墨は「文身自慢の会」に出るために描いた絵でしたが、八五郎のくるぶしには本物の小さな桃の彫り物があるそうです。
 入れ墨というのは、平次の活躍した寛永(1623〜)や明暦の頃にはまだそんなに派手なものではなく、盛んになって発達するのは元禄(1688〜)以後だそうです。
 そんなうんちくを仕入れられたのは良いとしても、この話、あまり面白くありません。表題作というのは何を基準に選ばれるのでしょうか。十二支が彫られた柔肌をさらす女性の色気が表紙の絵になるということでしょうか。

 私が気に入ったのは『鉄砲汁』。でも、これは地味な題ですね。「鉄砲汁」とは要はフグを使った鍋のこと。内容も、フグに当たって死んだと見られた男が実は毒殺だったという、ありきたりなものです。
 ではどこが気に入ったのかといいますと、まず導入が面白い。いつも貧乏できゅうきゅうしている八五郎が平次に金の入り用はないかと尋ねるのです。らしくない景気のよい様子に平次が理由を尋ねると、なんと古物の脇差しが十両で売れたので懐があったかいというんですね。これはいかにもなにかわけがありそうです。
 で、どんどんその買った人間のことやら、他になにか言われなかったかと探りを入れていくと、だんだん怪しげなたくらみがあきらかになっていく。さらには平次が八五郎に十両返して品物を取り返してこいと言われてその人物の所に行くと、その人物は殺された後だった……と、こんな具合に物語が発展していくのです。
 まず、ちょっとした不自然な謎を提示し、それが雪だるまのように膨らんでいくというのは、短編として良いと思います。

落語・日本の話芸総集編

 本日(?)零時から朝の五時までぶっ続けでテレビで落語を放送します。
 演者と演目は下の通り。

 林家木久蔵「蛇含草」
 桂歌丸「紙入れ」
 三笑亭笑三「呼び出し電話」
 三遊亭遊三「付き馬」
 三遊亭円楽「浜野矩随」
 三遊亭小遊三「蜘蛛駕籠」
 柳家小三治「出来心」
 桂文朝「寝床」
 橘家円蔵「たいこ腹」
 三遊亭金馬 「夢金」

 中でも小三治の「出来心」は舞台で二度見ましたが、傑作です。見逃すと損ですよ。要録画です!


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