|
2004/09/17(金)
ローマ人の物語『ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)』 塩野七生
|
|
|
面白い! 遠い昔の外国の、ある若者の成長と初期政治活動記がどうしてこんなに面白いのでしょう? 寝不足は辛いので毎晩寝る前に少しずつ読もうと思っていたのですが、読み出したらやめられなくなり結局寝不足に。 前にも少し書きましたが、「世界史上最高の指導者」と称されるカエサルは40になるまでほとんど活動らしい活動をしていませんでした。ですから、これまでの彼の伝記を書かれた先人たちは、中年期以降から始めるのが常だったといいます。それまでの彼は莫大な借金と、女たらしとしてでしか名が知られていませんでした。ただ、その両方とも桁違いのスケールだったのが偉人たるゆえんなのかもしれないですが。彼は借金が身を滅ぼすとは考えないたちの人だったらしいです。私にはとても真似できません。さらにそのもてぶりも凄かった。そんなに美形でもないのにもかかわらずです。(前頭部はかなり薄かったらしいし)しかも何人もの愛人を作ってもそのそれぞれから決して恨まれなかった。作者はその点でもっとも世の男性から羨まれる存在だろうと言っています。 その彼が行動を開始するのが40を過ぎてから。世に有名な三頭政治を初め、元老院を向こうに回して次々と過激な構造改革路線を打ち出していきます。職権を利用して私腹を肥やそうとする保守派の人々のやり方を、システムをガラス張りにすることで防いでいく。現代においてもいまだ人類がひきずっている問題は2、000年も前からあったんですね。実に進歩のないことです。(この辺の内容ももう中巻に入ってます。読書スピードをセーブするのが大変。もっとゆっくり読まなくちゃ)
|
|
|