ロバの耳
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2006/08/09 おとぎばなし
2006/07/30 殺しの儀式
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2004/09/30(木) 稲垣金田一の『八墓村』を
 明日やるそうです。第2弾ですね。配役は

金田一耕助・・・稲垣吾郎
田治見辰弥・・・藤原竜也
田治見春代・・・りょう
田治見要蔵(久弥・要蔵・庄左衛門3役)・・・吹越 満
井川鶴子・・・中山 忍
里村慎太郎・・・永澤俊矢
濃茶の尼・・・絵沢萠子
梅幸尼・・・島かおり
小梅・・・泉 晶子
諏訪弁護士・・・笹野高史
久野医師・・・浅野和之
横溝正史・・・小日向文世
橘署長・・・塩見三省
田治見小竹・・・江波杏子
森美也子・・・若村麻由美

 今回も原作のヒロイン「典子」はカットされてしまったようです。映像化の際は必ずと言っていいほどカットされるキャラなんですよね。平成八年の市川昆の「八つ墓村」では喜多嶋舞がやったそうなのですが、まったく記憶に残ってません。
 監督はどうでもいいのですが、脚本を前回の「犬神家」と同様、佐藤嗣麻子が書いています。もっとも、佐藤脚本でも鬼のようにつまらなかった映画を私は知っていますが。どうしてご自身がメガホンをとらないのでしょう。稲垣版明智は撮ったことがあるのに。
 この作品、主役は辰弥で金田一はほとんど影の存在なのですが、金田一ものとして撮る場合はそこをどうするのかがポイントですね。もっとも、ちゃんと辰弥役にもジャニーズを配していますが。しかも名前が同音です。
 もう一つの見所は吹越満にレイプされる中山忍でしょうか……。

 歴代金田一や各作品の配役比較のページがあります。これはお勧め。警部さんまで紹介してくれてます。
 http://www7.ocn.ne.jp/~yokomizo/haiyaku-hyoushi.html 

2004/09/29(水) ローマ人の物語『ユリウス・カエサル ルビコン以前』中 塩野七生
 ようやく中巻読了です。ようやくというのはちょっと違うでしょうか。読むのが大変みたいなイメージがありますから。あれこれしていてこの本を読むための時間が少しづつしかとれないのが原因です。(睡眠時間は絶対に削れないですし)
 内容は、ついにガリア戦記に入りました。この本を読み始めた動機にようやくたどりついたわけです。その本家本元『ガリア戦記』を読んだ時はぴんとこなかった内容も、ガリアに遠征に入るまでのカエサルの個人的事情とか、当時のローマの政情とか、ガリア遠征中にも同時進行で起きている首都での元老院派と民衆派の争いとか、そういうことが書かれていることでより面白く読めます。さらに『ガリア戦記』が良い予習になったというか、理解もしやすいんですね。本の二度読みという習慣はないのですか、なるほど、良い読書法なのかもしれません。
 カエサルが遠征した紀元前一世紀は、今やオシャレの最先端みたいなすまし顔をしている西ヨーロッパやイギリスは、深い森と湿地、そして蛮族が割拠していた世界でした。特にイギリス(ブリテン)の風俗などは、先日『キング・アーサー』で観た原住民のスタイルそのまま、青い染色を体中にぬりたくってまるでインディアン。英国紳士も元はそんな感じだったんですね。

 今日のオールナイトニッポンはなんと「朝倉南」のオールナイトニッポンなんだそうですね。そう、DJがあのいわずと知れた『タッチ』のヒロイン、南ちゃんなんだそうです。どんな内容なんでしょう? 当時の朝倉南がDJをするのか、年をとった現在の朝倉南なのか、それとも南役の声優さんがやるということなのか。以前、『マクロス』というアニメのヒロインがラジオのDJをするというコンセプトのアルバムがありましたが、あんな感じになるのでしょうか。だとしたら、恥ずかしくて聴くにたえないような気もします。
 気になるところですが、聴くつもりはありません。睡眠時間のほうが大事ですので。
 最近、あきらかに三十代をターゲットにした企画が多いような気がします。今、この世代が一番お金持ってるとでも思っているのでしょうか。私なんて銀行にあと1000円しかないというのに……。

2004/09/28(火) 『文七元結 その2』 五代目林家正蔵
 さて、昨日の続きであります。

 御店に戻った文七は、旦那と番頭にこれこの通りいただいてまいりましたと長兵衛からもらった五十両を差し出します。ところがそれを見た旦那が首をかしげ、
「これはおかしい。実はおまえが先方で碁に夢中になり、そろそろ門限と言われて慌てて飛び出した後、五十金入りの財布を忘れているのに気がついて、先方がわざわざ届けてくださった。お金は先について、おまえはまだ戻らない。これはいけない了見でも起こしたんじゃないかと、今人をやって捜させようとしていたところだったのだよ。それがどういうことだい。すでにここにある五十金と、おまえがもってた五十金、合わせて百金になっちまった。これはいったいどういうことなのか、ちゃんと説明してごらん」
 言われて文七は真っ青に。「このままでは娘が女郎になる」と、それまでのいきさつを旦那に全てうち明けます。旦那は長兵衛の行動にいたく感動して、遊郭の名、娘の名などいくつかの手がかりから長兵衛の住まいを探し出し、文七ともどもお礼に参ります。
 文七宅では長兵衛と女房とが喧嘩の真っ最中。これこれこういうわけだと説明する長兵衛に、人の命を助けてお金をあげたなど作り話、どうせまたばくちにつかっちまったんだろうという女房。そこへ旦那と文七が顔を出し、いきさつを説明。五十両の金とお久は無事に長兵衛の元に戻り、これが縁となった文七とお久は夫婦になります。

 怪談や人情話が得意といわれただけあって、まだしっかりとした語り口の頃の録音、志ん生のように笑わせるというよりは話をじっくりと聞かせてくれるタイプの名人です。
 正蔵の名は今度6代目をこぶ平が継ぐようですが、ちょっと落差が激しいですね。こぶ平の古典も何度か聴いたことがありますが、キャラの演じわけもできていませんし、『新聞記事』をやったときなど冒頭のセリフをとり違えてその場で頭を下げ、初めからやり直す始末。最近のお客は実に寛容で(友人のSは別ですが)、笑って拍手など送っていましたが、お金を取って見せる芸とは思えません。こぶ平としてよもやま話をしているぶんにはまだ良いと思うのですが、正蔵としてしっかり古典をやるというのなら、まだまだ修行が足りないのではないでしょうか。

2004/09/27(月) 『文七元結 その1』 志ん生&正蔵
 落語中興の祖と言われる三遊亭円朝作の人情話。それを吾妻橋までは志ん生で、その先は正蔵という変則的な組み合わせでやりました。というのも、正蔵がなんのまえふりもまくらもぬきに吾妻橋のくだりから始めている録音なので、その前の部分を志ん生で補っているのです。

 腕の良い左官の長兵衛はばくちで身を持ち崩し、大変な借金を作ってしまいます。大事な道具も質に入れ、このままだと年も越せないというありさま。それを見かねた娘のお久が郭に身を売ろうとします。郭の主人が事情を知って、五十両のお金を長兵衛に貸します。もし半年たってもお金が返せない場合、お久を店に出すという条件です。
 長兵衛はその帰り道、吾妻橋で身投げをしようとしている男に出会います。慌てて止めますが、集金先からの五十両をすられてしまったというその男・文七は、どうしても死ぬと言ってききません。長兵衛はさんざん迷ったあげく、娘をかたにして手に入れた大事な五十両を、投げつけるようにして文七に渡してしまいます。

 この話と作者の円朝について、こんな逸話を玉置宏が紹介していました。明治維新の直後のことですが、薩長のお偉方に「何か江戸の人間の気質がわかるような噺をしてくれ」と頼まれた円朝は、自作のこの話をしたとのことです。もちろん、金と権力欲にとりつかれた薩長のお偉方に対する皮肉のつもりだったそうで。『井戸の茶碗』もそうですが、どちらも普通の人間ならまずできないことをやっているところが実に痛快です。

2004/09/26(日) 『Diablo U』
 昨日東京に帰った友人が教えてくれた、復活した悪魔を退治することが目的のアメリカ産RPGです。一人でも遊べますが、最大8人参加できるオンラインゲーム。オンラインゲームは二度ほどやっていたことがあるのですが、どうも性に合わなくて結局どちらも三ヶ月ほどでやめてしまいました。顔が見えなくても知らない他人とのコミュニケーションはどうも疲れます。個人的にはお金をかけてまで続けたいものではありませんでした。
 たいていのオンラインゲームはお金がかかりますが、今回のものは一度ソフトを買ってしまえばもうお金はかかりません。シングルプレイも充分に面白いですし、しばらくは友人との協力プレイを楽しみたいと思います。

 NHKアニメポワロとマープル 『エジプト墳墓の謎 後編』

 短編集『ポアロ登場』の同名短編から。話に「ファラオの呪い」というおどろおどろしい味付けをしています。見所はポアロまでが呪いの存在を信じているような発言をしたり、アヌビスをふせぐための「魔よけ」をしたりするところでしょうか。探偵の奇妙な発言や行動というのは読者をワクワクさせるものです。
 来週はいよいよマープルもので、短編集『愛の探偵たち』より『巻尺殺人事件』です。ポアロものが同一短編集からとられているように、これまでの2編のマープルものも『愛の探偵たち』からとられていますが、これは意図的なものなのでしょうか? だとすると、マープルものはあと一編しか作られないことになってしまいます。(『愛の探偵たち』にマープルものは4編掲載されているのです)まぁ、とりあえずは来週が楽しみです。

2004/09/25(土) 初めてのバス釣り その2
  昨日のリベンジとばかりに、朝4時に起きて近所のため池に向かいました。現場は当然、真っ暗です。Sは頭につけるライトを装備、私は手持ちの懐中電灯を持っていきましたが、周りには全く灯りがないので初めのうちは竿を振るのにも苦労をしました。
 そのうち明るくなってきて、アタリが出始めました。そしてついに私は初めてのバスをゲット。ただし、ほとんど手のひらサイズの小さなものでしたが。さらに調子にのって続けざまに三度釣り上げることに成功。どれも小型で、画像のバスはそのうちで一番大きかったものです。
 本当は8時までやっているつもりだったのですが、途中から降ってきた雨が激しさを増し、7時で切り上げました。

2004/09/24(金) 初めてのバス釣り その1
 生まれて初めてバスを釣りに行きました。釣り好きの友人Sのリクエストです。これまでSには管理釣り場でのルアー釣りやフライ釣りを教わったりしてきました。管理釣り場は面白いのですが、お金がかかります。だからお金のかからないうちの近所にのため池で、いるかどうかもわからないバスを釣ることになったのです。
 候補地は2カ所ありました。二人とも昨夜は一時過ぎまで遊んでいたのですが、六時に起きて、一カ所めのため池に行きます。そこはバスがいるかどうかはわからないのですが、二十年前までは間違いなく雷魚がいました。Sに言わせると、バスの装備で雷魚を釣ると竿を折られるか持って行かれるかしてしまうので、どうかかからないようにと祈りながら釣るとのことでした。
 ライズはあがって魚がいることは間違いないのですが、二人ともあたりがありません。そうして1時間ほど過ぎたころ、どこからかパンパンと火薬の弾けるような音が聞こえて来たので、近くで猟でもやっているのかと思っていたら、誰かの悲鳴が聞こえてきました。Sは「人殺しだ〜」と聞こえたといいます。やがてサイレンの音。見るともうもうと煙が上がっています。その悲鳴は「人殺しだ〜」ではなく、「火事だ〜」だったのでした。しばらくするとみるみる人と消防車が集まってきました。私たちは特に逃げるでも見に行くでも火を消すのを手伝うでもなく、ただ釣りをしていました。
 結局、そこでの釣果は0。Sが雷魚が飛び跳ねるのと、小さなバスのあたりがあっただけという結果でした。私がちょっと席を外したのきっかけにして、別の場所、第2候補に向かうことにしました。
 第2候補の場所は、その前を通ると必ず釣り人がいるというため池。行ってみるとなんとバスがうようよいたのでした。Sが言うには、「こんだけバスがいれば、そりゃ釣り人も群がるよ」とのことです。彼はそこではSは25センチの大物と小物を何匹も釣り上げました。私もあたりはあったのですが、会わせ損ねて逃がしました。

 昼食に岩沼の『今昔亭』という蕎麦屋で鴨南蛮蕎麦を食べました。田んぼの中にある民家風の蕎麦屋です。Sは「雰囲気がいいね」と気に入ってくれたようでした。新蕎麦の季節ですから、蕎麦の味はいうことありませんでした。

2004/09/23(木) ラーメン屋『中華亭』 小三治・歌丸
 白石のラーメン屋さんでわりと評判の店、『中華亭』に行ってきました。食べたのはチャーシューメン。
 ダシは煮干しなどのあっさり系。これがスープでしめった海苔と良く合います。チャーシューは薄切りのしっとりした感じの食感。わりと美味しいラーメンでした。

 大河原のえずこホールで『柳家小三治・桂歌丸2人会』を見ました。
 小三治の前座は二つ目の三三(さんざ)で演目は『道具屋』。道具屋は嫌いな噺なのですが、わりと聴けました。
 歌丸の前座は歌蔵で『新聞記事』。演じわけはできていないのかあえてしていないのか、勢いだけでやっていました。

 さて、お目当ての小三治ですが、演目は『野ざらし』。これは以前にも浅草演芸ホールで一度聞いたことがありまして、少し残念でした。でも、まくらではもの凄く意外な話が聞けました。
「えー、おおかわらですね。おおかわら。おおかわらにもこんないい劇場があるんですねぇ」
 いきなりそう切り出したので、良くある地元ヨイショかなと思ったら……。
「いえ、おおかわらに来たのは初めてなんですがね……。おおかわらの隣は船岡で、その隣は槻木でしょ?」
 そう続いたのでびっくりです。うわっ、小三治の口から槻木の名が出た、と喜んでいると……。
「その隣は岩沼ですね。実は私の父親は、その岩沼と槻木の真ん中当たりの、線路の上……じゃない、線路のすぐ近くの生まれでしてね」
 なんと小三治のお父さんの生まれは我が家の近所だったのです! しかも、母親は亘理と、これまた阿武隈川を挟んでお向かいの町。小さい頃はよく遊びに来たし、戦争中はこちらに疎開していたのだそうです。
 さらには、
「ずんだ餅ってありますよね? でも、最近のずんだは違う。枝豆をよくすりつぶしてない。あれはちがう!」
 などとずんだ餅へのこだわりを散々語ってくれたり。ちゃきちゃきの江戸っ子だと思っていた小三治の意外なルーツ。これには一緒に見た友人S氏もにかなり驚いておりました。

 一方の歌丸は「井戸の茶碗」。半年前に仙台に来たのを見た時よりも少しやつれ、声の調子も悪そうでしたが、さすがの芸をみせてもらいました。手の所作が流れるようで綺麗なんですね。踊りでもやってらっしゃるのでしょうか。笑点ネタもほとんど話しませんでしたし(くず屋の顔をあらためるシーンで、「なんだ長い顔だな、圓楽のようだ」と言っただけ)、個人的に大好きな噺をたっぷり1時間近くもやってくれて、今日は本命・小三治よりも上の満足感をいただきました。

2004/09/22(水) 野球のこといろいろ
 ライブドアに続いて楽天も仙台を本拠地に申請したと発表しました。これでライブドアにしろ、楽天にしろ、申請が通れば仙台にプロ球団が誕生することになります。けれど最初に候補地として挙げられていた大阪や長野の人には、残念な知らせでしょうね。

  『Dreams』という野球マンガを読み続けています。
 絵・川三番地、原作・七三太郎のコンビが描いているのですが、昔は絵柄が嫌いで読んでいませんでした。それが、原作がちばてつや・あきおの下の弟で、ちばあきおの『キャプテン』『プレイボール』にも関わってた人物であるということを知ってから読むようになって、そのうち絵も気にならなくなりました。(慣れというのは恐ろしいものです)
 最新巻は39。主人公はかなりの反逆児で非常識野郎なのですが(高校球児なのに金髪だったり、喫煙したり、飲酒したり)、常人離れした力で次々と魔球を作り出していきます。ただし、分身魔球とか消える魔球とかそういう派手なものではなく、できるかぎり科学に即した魔球です。例えば今投げているのは、魔球「エンジェル」。名前はアレですが、どういうものかといいますと、ボールの回転が本来曲がる方向とは逆に回転しているように見える球です。つまり、ヘリコプターの羽やタイヤのホイールの回転が、ある速度を超えると逆回転しているように見えることがありますよね? その原理で、通常の回転の1と3/4の速度で回転するために、カーブの回転なのにシュートしたり、シュートの回転なのにカーブしたりするわけです。(本当に逆回転しているのではなく、人間の目の錯覚を利用している)これは当然ながら、球の回転を見極めて体が自然に反応してしまうような高レベルの打者にだけ通用する魔球です。今、対戦している相手校の監督が、その主人公を鍛え上げた父親という設定なので、選手もかなり鍛えられているというわけなのです。

 野球マンガは好きでいろいろ読んでいますが、いわゆる超人野球もので読んでいるのはかろうじてこの本くらい。どちらかといえば、理論的な裏付けのあるリアリティのあるものの方が好きですね。

 最近の一押し野球マンガは『俺はキャプテン』コージィ城倉。これは中学野球を描いているのですが、目立たない小心者の補欠部員が強引にキャプテンをやらされたとたん、性格が変わって独裁者になります。そして、部員に徹底したバッティング練習をさせるのです。
 実際に野球部員だった経験から言うのですが、普通、一般的な公立学校のチームが練習にかける時間のほとんどは守備です。時間をかけて練習をしてより結果がはっきりと出るのは、打撃より守備という認識があるのですね。どんなに打撃を練習しても、良いピッチャーが出てくれば打てなくなりますし、スランプみたいな波もあります。三割撃てば好打者といわれる打撃を練習しても、かけた時間だけの効果があてにならないという先入観があるんです。
 ところがこのマンガはそのまったく逆。独裁キャプテンの主人公はコンピュータオタクの野球オタクでもあったので、実に理論的で効率の良い打撃練習プログラムを組んでいます。
 打撃重視でどこまで勝ち進むことができるのか。普通の野球部ではまずやりたくてもできないようなことをシュミレーションしてくれているわけで、実に興味深いマンガです。絵柄も昔のマンガのようなシンプルさがあって、私好みです。

2004/09/21(火) 『SWING GIRLS』 監督矢口史靖
 矢口監督の最新作、『スイングガールズ』を観てきました。まぁ、矢口ギャグてんこもりの映画でしたね。
 私は「音楽もの」の映画が好きでして、BGMで使われている曲やら挿入歌が良いとそれだけで気に入ってしまいますし、初めはど素人だった連中が歌や演奏を練習してだんだん上手くなって、最後に大舞台で発表して優勝するみたいなパターンの話には目がないのです。『天使はラブソングを歌う1・2』は大好きですし、最近でも『スクール・オブ・ロック』は本当に面白かった。映画を観ながら体を揺らしてしまったり、一緒に口ずさんでしまったり、足を鳴らしてしまったりするんですよ。好きな音楽がかかると、それだけでなんか体が震えるような感動を覚えるのです。音楽の力って偉大ですよね。
 でも、『スイングガールズ』ではその音楽に包まれる感動というのは残念ながら薄かったです。ジャズというジャンルのせいでしょうか? そうではなく、演奏者がプロではない、本当に普通の人たちが一生懸命練習したレベルのものだからだと思いました。もちろん、徐々に上手くなっていった過程を生で見ている人たちならもの凄く感動すると思います。でも、映画だとその辺は省略されていますからね。
 『スイングガールズ』で選ばれた女の子たちというのはキャラ重視のために、楽器には本当に素人だったそうです。また監督自身にも特別ジャズに対する思い入れはない。その軽さがノリとキャラ重視の青春映画的なものにとどまり、演奏ではイマイチ私を心の底から震えさせるまでには到らない一因となったのではないでしょうか。
 『天使にラブソングを』や『スクールオブロック』の出演者はウーピー・ゴールドバーグを初めとするプロの歌手や、オーディションでその音楽的才能を認められた選りすぐりの者たちです。また、前作『ウォーターボーイズ』のラストにおける感動は、演者たちのシンクロ技というより、かかっていたBGMの力もかなり大きかったと思うのです。それに対する『スイングガールズ』のラストは、本当に素人の熱演に過ぎないのでした。繰り返しになりますが、彼女たちの陰の努力を延々見せられれば、そこに必ず感動は生まれると思います。しかし、一本の映画としての完成度を考えると、少し弱いのではないかと思ってしまいました。すごく簡単にいうなら、『天ラブ』や『スクールオブロック』、『WB』は何度も見てみたくなる、DVD買っちゃっても良いかも知れないって映画なのですが、『スイングガールズ』は一度見ればそれで充分という感じの作品なのでした。
 余談ですが、『金八先生』に出ていたのを見て以来、本仮屋ユイカちゃんを久しぶりに見られたのは嬉しかったです。

 ラジオ名人寄席『八五郎出世その2』三代目 三遊亭金馬

 『八五郎出世』は『妾馬』とほぼ同じ内容で、オチだけ抜いたような噺です。『妾馬』も本来のオチまでやられないことが多いらしいですが。
 主人公・八五郎の妹が殿様のお目に止まり、ご奉公にあがって世継ぎを産みます。妹の口利きで殿様にお目通りがかなうことになった八五郎。お屋敷の侍たちとの齟齬や、殿様との会話が実に面白く、個人的に大好きな噺です。
 ただ、持っている志ん生選集の『妾馬』が最高なので、どうも聞いていて歯痒くて仕方がありませんでした。「ああ、志ん生ならここでこうくすぐるのに」とか、「志ん生ならここで少しためるのに」とか「志ん生なら殿様の反応が妙に可愛いのに」とか。これって贔屓の引き倒しなんでしょうか?

9月絵日記の続き


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