ロバの耳
最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2004年8月
前の月 次の月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新の絵日記ダイジェスト
2006/08/15 夏休みV
2006/08/14 お盆
2006/08/09 おとぎばなし
2006/07/30 殺しの儀式
2006/07/28 大雨と長靴

直接移動: 20068 7 6 5 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 月 

2004/08/05(木) 『ファイナルファンタジー』 坂口博信監督
 BSでやっていたので観ました。けれど途中で見るのをやめました。なぜかというと、「つまらなかった」からです。見るだけ時間の無駄、正直、上映当時に映画館に見に行かなくてよかったと思いました。
 実際、この映画は興行的に大失敗したそうですが、今回途中まで見ただけで、その理由がよくわかりました。すでにいろいろなところで散々語られたのでしょうが、私なりの見解を語りたいと思います。
 まずゲームとまったく関係のない話にしてしまったこと。これは当然ゲームのFFと同じ世界観で作るべきだったでしょう。それだけでファンはチェックするでしょうから。というか、まったくその情報を知らずに入った観客は、見た後で騙された気分になったでしょうね。
 そしてストーリー。「地球に隕石とともに侵略者が飛来し、人類は絶滅寸前に。その危機を乗り越えようと苦闘する主人公たち」こんな話、はたしてCG映画にする必要があったのでしょうか。今までハリウッド・スターを主役にして散々撮られてきたSFアクション映画とまったく代わりがありません。しかも、その出ていれば必ず客の入るであろうハリウッド・スターは一人も出ていないのです。アクション映画のスター抜き。そんな映画、いったい誰が面白いと思うでしょう?
 CGについては、これまで観たフルCG映画の中では一番デキが良かったと思います。とくに指先の自然な感じには感心しました。『アップルシード』にこれくらいのCG技術が使われていたら、と思ってしまいます。
 それにしてもこれでは興行的に失敗するのは目に見えていたと思うのですが、制作者サイドは何を考えていたのでしょう。監督は利益を度外して、趣味でベタなSFアクションを撮りたかったとしか思えません。これだけの技術がありながら、実にもったいない。
 いくらCGがリアルになろうとも、それだけでは客は入らないと思います。リアルのアクションにはまだ生の迫力がありますが、それがCGにあるかというと、私は疑問に思うのです。例えば最近のスターウォーズを観ても感じたことなのですが、初期の三作、ミニチュアを作り、それを実際に爆破したり破壊したりしている映像の方が、同じようなことをCGで処理している最近の映像より、遙かに見応えがあるんですね。CGはまるでオモチャというか、ゲームの画面を見ているような感じ。見る側がそう感じた時点で、すでにリアリティは失われてしまっているんです。
 映画において、これからCGはますます活用されていくと思うのですが、見せ方はもっともっと工夫しなければいけないと思います。特にフルCGで映画を撮る場合、CGでしかもたらせない視覚的快感のようなものを発見しなければ、成功は永遠にありえません。
 誰かそういう革命的な発想・観点を持った監督が現れてくれないものでしょうか。



 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.