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2004/08/24(火)
『野ざらし』 四代目三遊亭円遊
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『野ざらし』は怪談ですが、ちょっと艶っぽくもあり、笑いもの多いので好きな噺です。原話は中国の笑話本「笑府」というものなのだそうで、その翻案が天保八年(1837)刊の笑話本「落噺仕立おろし」にあるそうです。これを落語にしたのは「こんにゃく問答」の作者としても有名な二代目林家正蔵なのだそうです。この正蔵は禅宗の僧侶出身だったので、陰気で怪談風な「野ざらし」をつくったのですが、これを現在のように陽気な噺に改作したのは、ステテコの円遊(三代目)だったということです。最近は小三治のを生で見ました。 「ラジオ名人寄席」では玉置宏が、「野ざらし」の中にある矛盾を話していました。隠居が八っあんに怪談風の口上を言うシーン、「四方の山々雪とけて、水かさまさる大川の、上げ潮南風で、ドブーリドブリ」と言っておきながら、そのすぐ後で「かたえのヨシが風もないのに……」と言っているとか、「浅草寺の鐘には金が入っている」と言っているが金が入っているのは別の寺の鐘だとか。お話の面白さにとってはそんなことはどうでも良いことで、先日の小三治もそのままにやっておりました。 「現在では落ちがわかりにくいので滑稽な魚釣り風景までしかやらない」と手元の解説書にありますが、今日の円遊も先日の小三治もその通り、ドッと湧いたところで切り上げていました。
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