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2004/07/05(月)
『たがや』三代目三遊亭金馬
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週に2日のお楽しみ、ラジオ名人寄席。今日は三代目三遊亭金馬の『たがや』でした。ラジオ名人寄席には故人となられた方しか出演されないので、当然ながら当代の金馬さんとは別人です。 音でしか触れたことのない噺家さんのことをどうこう言うのは、氷山の一角しか見ていないのに全体を語るようで恥ずかしいのですが、それでも名人だと思います。人を惹きつける、実にうまい語り口。この方の出番の回ははずさないので安心して聴けます。 今日の演目、「たがや」という噺ですが、夏の定番噺でかなり古いころから口演されてきた江戸落語とのことです。 オチでとぶ首ですが、初期は今とはちがい、とぶのは武士ではなく、たがやの首だったようです。なるほど、そのほうが「たーがやー」という最後のかけ声とも合う気がしますね。 これが現在の形に変わっていったのは安政の大地震のあと、復興景気で職人さんが寄席にでいりするようになってからのことだそうで、これが威張っている武士に対して日頃から鬱憤をためている庶民に良くウケたとか。 私もこのほうが好みにあいます。いくら詫びても自分の首を切るといってきかない武士にむかって威勢のいい啖呵を切って、乱闘のすえ最後には逆にやっつけてしまう。痛快です。 もっとも、今日の玉置さんの解説ですと、二本差し(お侍のこと)がお客に入っている時は、元のままやられるのが常だったそうですけれど。
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