ロバの耳
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2004年7月
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2004/07/26(月) 『銭形平次捕り物控(三)』 野村胡堂 嶋中文庫
 思い出すだにいまいましい地方検察庁に行った帰りに買いました。地元の書店にはなく、これまでずっとネットで買っていたのですが、さすがに仙台の書店には置いてありました。
 『銭形平次』の本格探偵小説ぶりについてはもうこれまでも何度も口にしてきたのですが、今回は本編につきまとう戦前・前後の時代に好まれた雰囲気というか、乱歩的・横溝的なおどろおどろしさについても言及しておきましょう。
 まず死体が怪奇的。今回のお話の中にも「両国橋の欄干からつり下げられた、胸を諸刃の剣でつらぬかれた美女の死体」などというものがでてきます。それから「竹光の刀で貫かれた死体」やら、「浴槽で血まみれになっている美女」、さらにこの本ではありませんが、「首から上を犬のものとすげ替えられた死体」なんていうのもあります。
 毎回、必ずといっていいほど美女が登場し、これがまたよく殺されます。ただ、乱歩・横溝のようにエロチックではありません。お人柄か、色気にも品の良さが漂います。(ときに今回の話には、普段まったく目立たないお静さんが、ちょっとしたヤキモチをみせるシーンなどあるのですが、くどくど描写したりせず、さらりと書き流してあったりするところがなんともいえず素敵だったりします)
 テレビの「時代劇」的固定観念のある人は、読むとびっくりだと思いますよ。なにせ時々は暗号や密室事件なども扱いますから。


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