ロバの耳
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2004/07/24(土) 『KATU!L』あだち充
 あだち充といえば、もうこれはマンネリ・ラブコメの王者ですね。恐らく『みゆき』『タッチ』あたりで終わっている漫画家なのでしょうけれど、なんとなく読んでいます。
 いつも思うのですが、あだちマンガは導入はまぁ面白いのです。でも、話が長くなっていけばいくほどその勢いは失速して、どんどんつまらなくなっていく。というか、いつもその後の展開が同じなんです。主人公に恋でもスポーツでも強いライバルが現れて、ヒロインの心がその間で揺れ(ているように見え)るという。
 そんなマンネリあだちマンガの中でも、もっとも好んで使われるシチュエーションがありまして、それがこの巻でも使われています。それは「入院した自分の恋敵を頻繁にお見舞いするヒロイン」というものです。これは『タッチ』を初めとして、あだちマンガでは必ずと言ってもいいほどに使われています。かといって、他のラブコメマンガでよく使われるかといえば、そうでもない。あだち充がどうしてここまでこのシチュエーションを使いたがるのか、不思議なくらいです。
 恐らくあだち充は、そのシチュエーションが「男としてもっとも不安を感じる構図である」と無意識的に感じているのでしょう。でも、こういうことが実際あったとしたら、それをしている女性側の心理というのはどうなのでしょうか。自分が好意をよせている男性がいて、その人も自分に好意を寄せてくれている。それに横恋慕をしてくる男性が入院したとき、その人の看病をしたり足繁くお見舞いに行ったりするというのは、ありえることなのでしょうか。
 一つ考えられるのは、好意をもたれていることを自覚しつつも、いまいちはっきりと態度にしめさない相手にいらだって、わざと恋敵と親密にふるまうことで気をひこうとしている、ということでしょうか。しかし、あだちマンガのヒロインはそういう性格に設定されていないことがほとんどなのです。しかも、ヒロインは主人公に内緒でお見舞いに行っている。これでは気をひくもなにもないですね。
 好きな人が別の男と親密そうにしている現場を目撃して誤解する、というのはラブコメの王道シチュエーションではありますが、あだちマンガの「お見舞い」はいったい何のために物語の中に(しかもここまで頻繁に)挿入されるのか。うんざり+ちょっとした謎でもあります。


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