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2004/07/31(土)
『コンスタンティノープルの陥落』 塩野七生 新潮文庫
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今年のお正月に『ローマ人たちの物語』にはまって、文庫で出ているぶんを全て読んでしまった後、同じ作者だからと勢い余って買ったものの、『ローマ人〜』にくらべイマイチ面白みにかけ、読みかけのままどこかに置き忘れていたのが、ひょんなことからみつかったので、とにかく読んでしまいました。 『ローマ人〜』と『コンスタンティノープル〜』、二つの本の私への印象の違いがどこからくるのかはちょっと説明できませんが、前者はワクワクするのに対し、後者は退屈させられました。征服者であるマホメッド二世に魅力を感じなかったからでしょうか。それとも、「コンスタンティノープルという都市が1453年にオスマン・トルコによって征服された」という世界史では「重要」とされている既知の出来事に、ハッとするような新しい認識をさせてくれなかったからでしょうか。
『日露戦争物語L』 江川達也
明治の軍人・秋山真之を主人公にした、マンガ版『坂の上の雲』のようなお話です。(そういうと作者の意図には反しているかもしれませんが、未読の方にわかりやすく言ったまでです) ただし、現時点では日清戦争が始まり、その経過が詳しく語られ始めているので、真之の出番はほとんどありません。 これまでメジャー紙に連載されているマンガで、ここまで戦闘の経過を詳しく解説・描写してくれるマンガがあったでしょうか。両軍の陣地、とっている陣形、戦闘の進行状況などが、逐一図解されています。しかも、一隊ずつの隊長の様子まで細かいこまわりで描いていたりします。私個人としてはとても嬉しい描かれ方なのですが、これで一般読者がついてきてくれているのかと心配にもなります。でも、作者も編集者も編集長も、最後までこの調子で頑張り続けて欲しいと思います。
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