ロバの耳
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2004/12/21(火) 落語・『粗忽の釘』五代目柳家小さん
 期せずして小さん師匠三連発となりました。

 粗忽者が引っ越しをすることになり、箪笥を担いで出かけます。まっすぐ来ればいいものを、あちこち首をつっこんだり迷ったりして夕方遅くにようやく到着。着くと早々に女房から「ほうきは横にしておくもんじゃないっていうから、釘を一本打っとくれ」と頼まれます。
 「一服してから」という亭主に、「おまえさんの一服は長いから」とせかす女房。腹を立てた亭主は八寸もある瓦釘をめいっぱい壁に打ち込んでしまいます。
 「お隣に釘の先が出てたらどうするの」と女房に言われ、亭主は謝りに行くのですが・・・。

 『粗忽の釘』はやる人の多い噺です。友人のSは小三治や小遊三のを見ていて、非常に面白かったとよく自慢されます。
 今日の録音は残念なことにスタジオ録音。落語で一番つまらないのが、噺家が一人で喋っているだけのスタジオ録音です。一番良いのは当然生ライブですが、実際に見ていなくても私はライブ録音でしたら十分楽しめます。それがお客さんの反応がないスタジオ録音だと、例えひいきの噺家が演じたものだとしてもダメなんです。やっぱり落語は間のとりかたが命というか、お客さんとの呼吸、空気が大事なんですね。

2004/12/20(月) 落語・『提灯屋』五代目柳家小さん
 大好きな噺家、というわけではないのですが、小さん師匠は実に安心して聴ける方です。
 『提灯屋』も初めて聴きました。最近の寄席ではたいがい演じられる噺は決まっていて、あまり変わったのは聴けないんですよねぇ。間が悪いのかもしれませんが。たくさんの噺をきちんとやれる噺家さんが少なくなったような気がします。

「長屋の若い衆は揃って字が読めない連中ばかり。貰ったチラシを天ぷら屋の開店と思ったりして、一杯飲みに行く相談などしています。しかし、肝心のチラシの店がどこで、何屋なのかわかりません。
 そこへたまたま通りかかった隠居に見て貰ったところ、なんとそれが今度新しくできた「提灯屋」のチラシ。がっかりした一同ですが、「描けない紋があったら、提灯を只で差し上げる」と書かれていることを知り、俄然はりきります。紋をなぞかけにして提灯屋に注文し、提灯をまきあげようと言う魂胆です。
 「剣かたばみ」を「大蛇を胴切りにした紋」、「りんどうくずし」を「仏壇の地震の紋」……。謎の解けない提灯屋は、提灯を只でどんどんもっていかれてしまいます。
 これを聞いた隠居が責任を感じ、若い者の埋め合わせをするために簡単な紋を提灯屋に注文してあげようと思い提灯屋に行きます。注文したのは「丸に柏」紋。
 ところがすっかり疑心暗鬼に陥っている提灯屋、それを素直に紋だと思わずに謎かけだと思ってしまいます。そうして提灯屋の出した答えは……」

 オチは関西人でないとわかりにくいと言うことですが、私はかつて良く読んでいた某料理漫画に出てきたりしていたので知っていました。小さん師匠もちゃんとまくらで解説していますしね。「すっぽん」を「まる」と言い、「鶏」を「かしわ」と言う、と。
 参考までに、「丸に柏」紋の画像を添付しておきます。

 すっぽんと言えば、少し前に初めて「まる鍋」を食べに行きましたが、あれはカメ好きには辛い料理ですね。美味しいと聴いていたのでどんなものが一度食べておきたいと思っていたのですが、実際に目の前に出されると……。甲羅なんか形がほぼそのまま出てくるので、なんか可哀想で味が良くわからないし、食欲が出ないんです。味や匂い以外で「美味しい」と言われているものが食べられなかったのは初めてでした。

2004/12/19(日) 落語・『いいわけ座頭』五代目柳家小さん
 たまには再放送でなく、本放送の「ラジオ名人寄席」を聴いてみることにしました。

 長屋の甚平衛さん、大晦日の借金取りに対抗するため、口のたつ按摩さんに酒手を握らせ、借金のいいわけをして回ってくださいと頼みます。按摩さんは方々に行って相手をおどしたりなだめたりすかしたりおだてたり。次々と取り立てを待つことを了承させてしまいます。

 初めて聴く噺です。
 シチュエーションは『にらみ返し』に似ています。ただ、黙って睨みつけるだけの『にらみ返し』と違って、実にラジオ向きの噺ですね。按摩があの手この手で相手をまるめこむのが実に愉快です。
オチは『にらみ返し』と同じでした。
 それにつけても残念なのは、地震があったとかで番組が途中で中断されてしまったこと。こんなときに地震が起こらなくても・・・。

〈私事〉
 新年明けに出かける南九州旅行のクーポン券が届きました。
 ネットで予約をしたのですが、すでに料金は支払い済み。券のほうは旅行日より二週間前に届くということで、さすがに実際に届くまでは不安でした。
 出発まであと二週間。旅程表を見ているだけでもワクワクしてきます。レンタカーはなんとカーナビ付き。今回は相棒Sの必殺の方向音痴芸に悩まされずに済みそうです。

2004/12/18(土) 本・ローマ人の物語16『パクス・ロマーナ(下)』塩野七生 新潮文庫 
 ローマ世界に平和をもたらし、繁栄の礎を築いたアウグストゥスを、人々は「国家の父」と呼ぶようになる。しかしその彼にも大きな悩みがあった。後継者を誰にするか──妻リヴィアの連れ子ティベリウスは偉大なる父に反発して一方的に引退。娘ユリアの息子たちに期待をつないだものの、いずれも若くして死んでしまう。カエサルの構想した帝政は果たしてローマに根付くのか。アウグストゥスの「戦い」は続く。
(文庫本折り返しより)

 カエサルからその才能を見いだされて後継者として指名されたという経緯を持つアウグストゥスでしたが、自分の後継者には自分の血が流れていることに固執しました。
 後継としての才覚をもっとも持ち合わせていたティベリウスの引退も、彼に自分の血が流れていないということゆえの確執に端を発したものだったのです。

 しかし、老いてゆくアウグストゥスの焦りをよそに、自分の血を引いた者たちは若くして死に、またはスキャンダルを起こして追放せざるをえないという状況に陥るのでした。(彼は姦通罪という法律を自分で強引に成立させた経緯があったので、スキャンダルを起こした身内にも・・・いえ、身内だからこそ、厳しい処分をせざるをえなかったのです)

 結局は、突如起こったゲルマンの反乱を鎮圧する必要性にかられてティベリウスに復帰を請い、彼を正式な後継者、二代皇帝とするための手続きを踏みます。

 それでもアウグストゥスの妄執はやみませんでした。姪の息子でティベリウスの養子にしていたゲルマニクスに、直系の孫では唯一問題を起こさずに育っていたアグリッピーナを嫁がせるのです。
 ゲルマニクスとアグリッピーナははとこ同士。遺伝学的な問題には詳しくありませんが、近親者同士の結婚には暗い予感がつきまといます。
 実際、この二人から生まれた子供が後に三代目皇帝・暴君の名をほしいままにしたカリグラとなり、そのカリグラの妹の腹からは五代目皇帝となるネロが誕生することになるのです。

 それでも、アウグストゥスは、強い責任感と地道な持続力で帝国の礎を築き上げました。そして七十七歳でこの世を去ります。
 次巻からは新章『悪名高き皇帝たち』が始まるのですが、文庫化はいつになるのでしょう。実に待ち遠しい限りです。いっそのことハードカヴァーを買ってしまおうか・・・そんな衝動にかられたりもするのですが、私もアウグストゥスの辛抱強さを見習って、ひたすら文庫化を待ち続けることにしましょう。

2004/12/17(金) 音楽・オトコノコオンナノコ
 元ピチカートファイヴの小西康陽さんが小倉優子に曲を書いたという話は、きりん舎さんの日記を見る前にすでに妹から聞いていたのですが、昨日、ようやく「うたばん」でその曲を聴くことができました。
 曲は相変わらずの小西テイスト。でも、『スキスキスー』よりもいい感じです。しかし、アーティストが小倉優子というのがどうも・・・。あまり好きなタレントではないので。

2004/12/16(木) 落語・『時そば』『初天神』柳家小三治
 先日、友人のSから封書が届きました。封書を開けると、中味はPCカード。CD−Rドライブが不調のために代わりの記録媒体を送るとは聞いていたのですが・・・。
 さっそくスロットに差し込んで読み込んでみると、それはMP3で記録された小三治の『時そば』と『初天神』でした。

 『時そば』
 寒い冬の夜、屋台のそばを食べながら、しきりとお世辞を言う男がいます。ところが食べ終わって代金の16文を払うのに、「ひい、ふう、みい、」と一文ずつ渡していき、「七つ、八つ、今何時だい」と聞いて、そば屋の主人が「九つ時で」と答えると、「十、十一、十二……」と一文ごまかしてしまいます。
 この様子を見ていた男が、自分もやってみようと考えて、日を改めて屋台のそばを頼みます。ところが同じようにお世辞を言おうにも、このそば屋がひどいそば屋。そばは柔らかいし、汁はまずい、器はかけているという始末。それでも強引に褒めて、いよいよお代を払う段になったのですが……。

 非常に知名度の高い噺です。同じ展開を何度かくり返して、一度目はうまく行くのに二度目は全部裏目に出る……というパターンは落語ではよくあります。
 以前、柳家花禄で聴きました。若さゆえか勢いがあって、とっても面白かったです。小三治はそれとは逆に、実に落ち着いた芸達者ぶりで聴かせてくれました。

 『初天神』
 熊さんが初天神へ出かけようとすると、息子の金坊が外から帰って来て、連れていってくれとせがみます。
 絶対物をねだらないと約束させて連れて出すのですが、「おねだりしないで良い子だったから、褒美になんか買っておくれよ」と駄々をこね始めます。
 最初はあめ玉、次に団子、最期に凧を買う羽目になりますが、凧を揚げようと川原へ行くと……。

 『初天神』はどこでも切れる重宝な噺なので、よく寄席でかかります。ただ、私はあまり好きな噺ではありません。子供を上手に演じている噺家さんが少ないからです。どうも金坊がイヤな子供に見えてしまう。
 ただ、さすがに小三治のは笑いました。MP3プレイヤーに落として寝る前に聴いたのですが、部屋の電気を消して、ベッドに横になりながら時々ゲラってる三十路半ばの男は、はたから見たらかなり危ないものがある気がします。
 それから、落ちまで演ってるのを聴いたのはこれが初めてでした。子供にせがまれて嫌々買ったはずの凧を、いざ上げ始めた途端にはまっていく熊さんが最高です。

2004/12/15(水) 私事・事故
 と、言っても、私が事故ったわけではありません。

 今朝、車で現場に着くと、昨日羚羊を見かけた道路で黒い乗用車が大破していました。その事故車はすでにキャリア・カーに積み込まれようとしているところで、警官と……私の同僚が片側交互通行しておりました。これは本当はしなくても良いことで、完全なボランティアです。

 事故現場は以前、ユニック車のアームに襲われた場所と全く同じところなので、図を流用して説明します。
 川崎方面から坂を下ってきた事故車はカーブでガードレールにぶつかりそうになり、ハンドルを右に切りました。そのまま右側の山のコンクリート枡に激突、そのまま弾かれて谷川のガードレールにぶつかり、ようやく停止しました。
 車はペシャンコになっていましたが、運転者は頭に軽い怪我をした程度のようで、警官の尋問に自分で答えていたそうです。

 運転車は事故の理由として「道路が凍っていたんです」と言ったそうですが、それに対して警官は「見え透いた嘘をつくな。今朝は道路が凍結するほど気温は下がらなかった。スピードの出し過ぎだろう。ガードレールがなかったら谷底にまっさかさま、今頃あの世行きだったぞ」と応じたそうです。

2004/12/14(火) 私事・羚羊
 まる二年通っている現場ももうすぐ終了します。
 そこに羚羊(かもしか)が出没することは以前にも話しましたが、今日は久しぶりに見ました。ちょうど11/4に写した画像の場所です。

 朝、まだ工事が始まる前、山の斜面の上の方に二頭の羚羊が現れました。毛の色は灰色と白が入り交じって、パッと見ただけでは枯れ木の中にいるのが気がつかないような、見事な迷彩になっています。
 そのうち、一頭が素早く斜面を駆け下りて、道路を横断、そのまま崖の下へと下りて行きました。とり残された一頭は、下りた方を見てメ゛ェ゛ーメ゛ェ゛ー鳴いています。下りた方は下りた方で、「おめーも早く来いよ」とばかりに上を見上げています。
 二頭はしばらく見つめ合ったり、野次馬な私の方を気にしたりしていましたが、やがて取り残された方も意を決したように斜面を駆け下りて、めでたく合流。二頭は仲良く連れ立って崖を下りていきました。
 たぶん、恋人どうしだったんじゃないでしょうかね。朝からいいもんみせてもらいました。

 「羚羊」というと、俳句の季語にもなっています。三冬、つまり11月から1月頃までの季語なんですね。ちょうど今頃です。
 この現場に配属されて間もないころ、よく羚羊を見かけることがあったので、その頃はまだちゃんと習い始めてはいなかったのですが、関先生に羚羊の句を作って送り、散々に言われたこともありました。

 実にたくさんの野生動物を見かける現場でしたが、資材置き場にたくさんの胡桃が置いてあって、こんなところに誰が集めたんだろうなんて話になったことがありました。それが実は栗鼠(りす)の仕業だったんです。きっと冬越しのために集めたんでしょうね。
 その胡桃も、資材が引き上げられた時にどこかにいってしまいました。せっかくせっせと集めた胡桃が無くなっているのを見たら、栗鼠はさぞかしがっかりするでしょう。少し可哀想です。

2004/12/13(月) 落語・『御慶(1)』五代目 柳家小さん
 先週に続いて富くじの話です。

 暮れの28日に八つぁんが「鶴がはしごを登って羽根を広げた夢を見たから、富を買いたい」と言い出します。
 買う金がどこにもないので、女房の着ていた親の形見の半纏を質入れして強引に一分を借り出し、湯島の天神に駆けつけます。
「ハシゴの先に鶴が止まっているのを見たから、鶴は千年生きるので千、ハシゴだから八四五で鶴の千八百四十五番をもらおう」
 と言いますが、その札は一足違いで買われていました。
 がっかりしながら歩いていると、易者に呼び止められます。占ってあげるというので夢の話をすると、
「ハシゴは下るものではなく、主に登るものだから、八四五でなく五四八だ」
 見料も払わずに「鶴の千五百四十八番」を買いに行くと、幸いその番号はまだ残っていました。

 前にも一度聞いたのですが、小さんのこの話は大好きです。特に明日やる部分。
 富くじの当たった八っあんは、一夜にして千両長者になるのですが、なにせ成金。正月の挨拶回りの作法も知りません。そこで手短で簡単な挨拶言葉として、「御慶」というのを教わります。
 その「ぎょけい!」の言い方が最高。明日が楽しみです。

2004/12/12(日) 私事・たこ焼き
 我が家にはたこ焼き用の鉄板があります。
 関西方面では珍しいことでもないかもしれませんが。
 妹と甥が遊びに来たので、焼くことにしました。
 たこ焼きは大学時代の学舎祭の出店で毎日焼いていました。
 
−材料−
たこ、だし汁、紅生姜、キャベツ、小麦粉
山芋、青のり、鰹節、マヨネーズ

 食後にはホット・チョコレートを出しました。
 概ね好評だったようです。

12月絵日記の続き


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