ロバの耳
最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2004年12月
前の月 次の月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
最新の絵日記ダイジェスト
2006/08/15 夏休みV
2006/08/14 お盆
2006/08/09 おとぎばなし
2006/07/30 殺しの儀式
2006/07/28 大雨と長靴

直接移動: 20068 7 6 5 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 月 

2004/12/31(金) 私事・御年賀
 今日も大雪。バイト先では一日雪かきのようなことをしていたので体中が痛くなりました。やっぱり雪は白い悪魔です。

 先日、御年賀の品を買ったという話はしたのですが、今回はそれが何かという話をします。野暮な話かもしれないのですが。

 U先輩宅に持っていくのはお酒です。日本酒。どうして日本酒にしたのかというと、句会をやるということで数人が集まるので、みんなで飲むのにちょうどいいかなと思ったのと、U先輩の奥様がのんべいでいらっしゃるからです。
 銘柄は『浦霞』。蔵本は佐浦という塩竃にある店で、仙台では有名な酒らしいです。享保九年の創業だとか。美味しいかどうかは私は酒飲みではないのでわかりません。U氏の奥様が決めてくださることでしょう。
 名前の由来はHPによると
「弊社では昔から『八雲』『富正宗』『宮城一』の酒銘を、並酒・上級酒・特級酒に使用してきました。
 大正時代に東北地方で陸軍大演習があった時に、当時摂政官であった昭和天皇にお酒を献上する栄を賜りまして、それを機に万葉時代からの歌枕であった塩竃を詠んだ源実朝の歌、
 塩がまの浦の松風霞むなり八十島かけて春やたつらむ(金槐和歌集)
(塩釜の海岸を吹く風も、霧を含んでいるかのようにやさしく吹きわたる。数多くの島はいっせいに立春を迎えたのであろうか)
 からいただいた「浦霞」を超特級酒の銘柄名として追加いたしました。
 昭和にはいり、戦時下の級別制度開始より銘柄名を『浦霞』に統一いたしまして、今日にいたっております」
とのことです。

 もう一つお邪魔する旅仲間で友人のS宅へは父親の作った蔓工芸。これはちゃんと私が父から購入しました。
 ただ、少し大きいのでヘタすると置き場所に困って却って迷惑となるかもしれません。まぁ、とりあえずの誠意ということで、あとは野ざらしとなろうが薪にしてくべようが好きにしてください、という感じです。

 みんなに会うのが今から楽しみでなりません。

2004/12/30(木) 私事・雪道
 2日から10日近く旅行に出るのですが……。
 移動手段はほとんど車。自宅から東京まではマイカーで、東京から九州・鹿児島までは飛行機、九州にいる間はレンタカーです。
 それで気になるのは天気。宮城県地方は昨日、大雪が降りました。今日の夜は凍結しています。さらに明日からまた大雪の予報が。
 まだ、マイカーはスタッドレスタイヤはかせてますし、癖などもわかっているからいいのですが、旅先で借りる車のタイヤはどうなんでしょう? ちゃんとスタッドレスなんでしょうか。
 しかも全国の天気を聴くと、鹿児島の桜島に初冠雪との知らせ。霧島あたりも雪が降ったとか。まぁ、霧島あたりはまだともかく、一番の問題は高千穂から熊本に抜ける道。ひょっとしたら通行止めになっているかも?

 昨日は雪の中、所沢ナンバーでノーマルタイヤの車が側溝にタイヤを落として立ち往生していたのを助けるのを手伝ったりしましたが、明日は我が身かもしれません……。

2004/12/29(水) 漫画・『ガラスの仮面』他
 この日記で苦情を書いたから……というわけでもないのでしょうが、予定よりも早く注文していた本と漫画が届きました。

『ガラスの仮面42』美内すずえ/花とゆめCOMICS・白泉社

 6年ぶりの新刊です。前の巻も12月に発売されています。そういえば前巻の最期で新章「ふたりの阿古夜」に入っていたのでした。もうすっかり忘れてました。
 本誌を読んでいた後輩たちの話を聞いたかぎりでは、亜弓さんが失明するとか、紫織さんが自殺未遂をするという展開になるはずだったのですが、どうやらそうはならないようです。

「『紅天女』の壮絶な稽古を終え、梅の谷から東京へ戻ったマヤと亜弓。だが、マヤは真澄と紫織の婚約が決定的なものと知り、ショックに打ちのめされる。一方、亜弓の稽古はますます白熱し……」
(カバー裏より抜粋)

 この巻を読んで驚いたのは、ついに「ガラスの仮面」にも写メ付きの携帯電話が登場したこと。しかも、それが結構重要なアイテムとして活用されているではないですか。この漫画が始まった頃は白黒テレビを持っている家庭がまだ存在していたというのに……。

 それにしても……真澄の婚約に落ち込むマヤ、探偵にマヤと桜小路優の仲を探らせ、優の積極攻撃を知って焦る真澄……と、こんな話、とても6年もかけて作り上げた内容とは思えません。次の巻は半年後に出てもおかしくないのではないでしょうか。

『ヒストリエ@A』岩明均/アフタヌーンKC・講談社

 「アレクサンダー大王の書記官エウネメスの波乱に満ちた生涯!」(帯より抜粋)

 岩明均といえば『寄生獣』ですが、これは友人に借りて読んだ程度で、内容も結末も半ば忘れています。私が彼の作品で初めて惹かれたのは、歴史物である『雪の峠・剣の舞』と『ヘウレーカ』でした。歴史と、それプラス頭脳戦を題材にしていることがとても気に入ったのです。『ヒストリエ』はそれの集大成的な期待を膨らませてくれる作品です。
 またアレクサンダー大王については非常に興味がありながら、(2巻では全然そこまでいってませんが)まだこれというテキストに出会えていないのですね。ですから、これからが本当に楽しみです。

2004/12/28(火) 本・『黒祠の島』小野不由美/詳伝社文庫
 作家葛木志保が失踪した。パートナーの式部剛は、過去を切り捨てたような彼女の履歴を辿り、「夜叉島」に行き着いた。その島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった……。嵐の夜、神社の樹に逆さ磔にされた全裸女性の死体。さらに、島民の白い眼と非協力の下、因習に満ちた孤島連続殺人が! その真相とは? 実力派が満を持して放つ初の本格推理。
(カバー裏より抜粋)

 ずいぶん前に関先生に勧められたような記憶があります。孤島と因習と殺人いう手あかにまみれた題材を使っていながらしっかりしたものを書いていると褒めておられた気がしますが、別の作品と記憶違いをしているかもしれません。

 日本人の書いた最近のミステリを読むのは非常に久しぶりのことです。昨日、書店に行ったおり、店頭に並んでいたのを手にとって数ページ読んでみたところ、孤島殺人というケレンを扱っていながら、かなりトーンを押さえた文体だったので、これなら読めるかもしれないと思って買ったのです。無事、読み切ることができました。

 読んでいて気になった点をいくつか。
 主人公の職業を探偵とも興信所ともつかぬ、ライターの取材代行というものにしたのは臭みがなくて良かったのですが、単なる一般人で捜査権もない主人公に、どうして島民がああもべらべらと内情を喋りまくるのか。(しかも設定では島民は外部の者に非協力的なハズなのに)
 彼の取材術は取り立ててうまいというわけでもなく、芸能リポーターのようにしつこくあつかましいわけでもない。特異なキャラクター、例えば金田一耕助のようなひょうひょうとした魅力をふりまいているわけでもありません。
 それなのに式部の調査に周りがある程度協力的な姿勢をとってしまう。それはなぜか。その点に私は違和感を感じ、今ひとつ説得力にかけているような気がしました。ここでいう説得力とはリアリティのことではなく、それを読者に自然に受け入れてもらえるような作者側の努力のことです。
 しかも、現在の事件についての情報収集や、それに関連しそうな過去の事情のほっくり返しやら、それがメインで話が進んでいくんですね。その度にその違和感を意識させられてしまう。これは私が気にしすぎなのかもしれませんが。

 それから(ここから先は内容に触れ、ネタバレの恐れがあるので、未読で結末を悟りたくない方は読まないほうが良いです)島で発見された全裸死体。これを主人公があまりにも簡単に自分が探している葛木志保だと認め、信じてしまうのは疑問に感じられました。
 普通ならむしろ逆ではないでしょうか。相手は無事を案じ、特に見返りもないのに探している人物なのです。どんな証拠を突きつけられようとも、この死体は自分の探している人物ではないと思いこみたがるのが普通の人間の心理ではないでしょうか。しかもその死体は一見して誰なのか判別がつかないのです。それに、同時に同じ年頃の娘も失踪している。この状況では最初から最期まで、殺されたのは自分の探しているほうではなく、もう一方の娘だと思っていたいというのが普通だと思うのですが。
 ところが主人公がその可能性に気が付くのは話の最終盤。主人公自身、どうしてそう信じてしまったのだろうと疑問を口にしていますが、これはストーリーの展開上そうしなければならなかった作者のいいわけがましさを感じてしまいます。
 これもまた、もう一方の展開のメインである、主人公と協力者の推理の組み立て、思考の整理、アリバイの検証等がくり返されるたびに「そもそもの前提が変じゃないのか」と思わされてしまうのでした。

 あと、これは好みの問題ですし、少し細かいのですが、途中に出てくる主人公の調査を本土で協力してくれる若者の台詞の「〜っす」という語尾。これは漫画家の細野不二彦も若者を描写する時によく使う台詞回しですが、実際に若者がそういう言葉を使う使わないという問題以前に臭みを感じてしまいます。

 

2004/12/27(月) 漫画・『おれはキャプテンE』コージィ城倉/マガジンKC
 新年にお邪魔する先輩宅への御年賀を買いに行ったついでに書店に寄って本を何冊か買いました。

 困ったもので、21日にネットで注文した『ガラスの仮面』やら『ヒストリエ』、『銭形平次』の発送予定が新年明けてからとのこと。それじゃ、私は旅行に出てしまう。それにそれまで読む物がないなんて、とても耐えられません。
 それで書店に行ったわけなのですが、おかげで『おれはキャプテン』の新刊を買うことができました。
 ネットでも割と新刊はチェックしているのですが、どうしても見逃してしまうことが多いです。買い続けている本の新刊が出る時くらい、「出ますよー」と教えてくれれば凄く便利なのに。
 それにしてもAmazon、注文してから発送に10日もかかるんじゃ、楽天に乗り換えるぞ。地元に球団も来ることだし。

 今回はいよいよ決勝戦。優勝候補である千船中との対戦が始まります。
 これまで「振り切る」バッティングで勝ち上がってきた狛駒中ですが、千船中のエース蝦名に対しては徹底した待球と「小さくコツコツ当てていく」バッティングで挑みます。そしてカズマサがたちあがりの悪い蝦名から二回までに得点する目標としてあげたのは、7点。
 一方の守備では、千船中がアンダースローに弱いとふんでフォームを変えたエース横須賀。はたして、そのピッチングは通用するのでしょうか。

 今日は仕事が入らなかったので予定外の休み。するつもりもなかった大掃除をすることにして、その合間に読みました。

 たまにする大掃除って、割と好きです。気分転換になりますし、やはり綺麗で整頓されている部屋は気持ちがいい。今回は床にワックスまで塗ってしまいました。
 やり慣れていないので、ムラなく塗るのに一苦労。一度塗ってみたのですがあまりのひどさにもう一度やり直しました。ワックスはわりと多めに使った方が良いのですね。

2004/12/26(日) 私事・贈り物
 また友人のSから贈り物をもらってしまいました。一日遅れのクリスマス・プレゼントでしょうか。

 届いたのは『エイリアン9』のDVD3巻と4巻、それに落語のつまったメモリーカードです。

 『エイリアン9』は富沢ひとし原作のSF。それのアニメーション化されたものなのですが、送ってもらった3、4巻で全巻が揃いました。でも、よく考えたらこのシリーズ、自分で買ったのは一巻だけ。二巻も収納用のBOXも、みんなSに買ってもらっちゃったのでした。私は「中古であったのを見かけたらキープしておいて」と頼んだのですが、代金を受け取ってくれないのです。なんてふとっぱらなS……。

 落語の方は、三遊亭圓生の『寝床』『唐茄子屋』、春風亭柳朝の『大工調べ』『天災』。
 彼は音源だけで落語を聴くという習慣はなく、図書館に山と置かれている宝物に手を出すことは滅多にないのですが、私にせがまれて小三治を借りているうちに父親から「圓生」と「柳朝」を借りてきてくれと頼まれたのだそうです。
 聴いたら結構面白かったということで、今度会った時にぜひ聞かせてと頼んでいたら、わざわざこうしてカードに入れて送ってくれたというわけなんですね。なんて親切なS・・・。

 落語といえば、笑点の大喜利メンバーに今日からたい平が参加します。新メンバーの参加はなんと22年ぶりとのこと。もうそんなになるんですね。その頃はもちろんまだ子供でしたが、楽太郎、小遊三、好楽などが参加した時、「つまらないやつらがメンバーになったなぁ」などと思ったような記憶があります。
 番組の冒頭に若手大喜利をやりましたが、やはり勢いがあって面白いですね。いっそ全員そう取っ替えでもいいと思うのですが。

2004/12/25(土) 本・『七人のおば』パット・マガー/大村美根子訳創元推理文庫
 ついに読むものを切らしてしまって、寝る前に読むための何か軽くて楽しいミステリはなかったかなぁ……と本棚を見ていたら、ふと『七人のおば』が目に止まりました。

 どんな話だったかとあらすじに目を通すと、「新妻サリーに友人から『あなたのおばさんが夫を毒殺し、自分も自殺してしまった』という内容の手紙が届いた。ところが慌て者の友人は、七人いるおばのうち、どのおばがしたことなのか名前を書いていなかった。気になって眠れないという妻に、夫ピーターはおばたちの話をさせ、どのおばがしたことなのかを推理し始める」というもの。

 そんなあらすじを見ても詳しい内容を思い出せず、うん、面白そうだから再読してみよう、と本を手にベッドへ。ところがこれが軽くて楽しいミステリどころかドロドロの愛憎劇。昼メロ(見たことないけど)にでも仕立てれば、世の奥様連中にはオオウケなのではないかという内容でした。

 七人のおばたちにはそれぞれ実に個性的でかっちりとしたキャラふりがされています。

 長女のクララはしきり屋で独善的。妹たちを自分の支配下に置き、自分の価値観(女の幸せは結婚にアリ)を押しつけ、反抗を許しません。

 次女のテッシーはお堅い女性教師。ひっつめ髪で学問に没頭する、婚期を逃した(当時としては)独り者。これが若くてハンサムなスポーツ青年バートとの恋に溺れることになります。

 三女のアグネスは最初の結婚に失敗、再婚をしますが、その再婚相手はクララがテッシーのためにお膳立てしたスティーブ。最初の結婚で生まれた子供への過剰な溺愛ぶりに、ジョージと始終衝突しています。

 四女のイーディスはキッチンドリンカー。嫁ぎ先のお母さんとそりが合わず、そのために酒に溺れてアル中に。サナトリウムと実家と嫁ぎ先を行き来する毎日です。

 五女のモリーは大変な美女なのですが男性恐怖症。ようやく好意らしきものをもった相手トムと、クララに強引に結婚させられてしまいますが、夫婦の営みを拒絶し続けます。

 六女のドリス。彼女はこの話の核とも言える人物なのですが、情熱的でかつ多情。テッシーの婚約者であったバートと結婚式の前日に激しい恋に落ちます。クララの妨害で結局バートはテッシーと結婚。ドリスはマイクルと結婚しますが、バートとの駆け落ちを邪魔した夫マイクルを憎み続け、結局はバートとの間に子供まで作ってしまいます。その後もモリーの夫トムと関係をもったり、七女のジュディの夫と関係をもったりという多情ぶりです。

 七女のジュディの好みはハンサムな二枚目よりもお金持ち。結婚相手は自分に気前よく贈り物をしてくれた年上のジョージを選びます。しかし、ジュディの大変な浪費ぶりに家計はあっという間に火の車。それでもジュディは自分の欲しいものをねだり続け、ジョージがそれを聞き入れないと彼を罵倒し続けます。

 まさに「七つの大罪」といったところ。この七人の女性のうち、誰が自分の夫を毒殺したのか。冷静、かつ客観的に読んでいくと、おおよそ犯人と動機に見当はつきます。
 ただ、この七人のおばたちが織りなす愛憎劇にのめり込んでしまうと、その単純かつ明快な真相をつい見逃してしまうということもあるでしょう。作者の狙いは恐らくそこにあります。
 それにしても、このドロドロの愛憎劇の合間合間に挟まれる、甘くて幸せな新婚生活を送っているサリーとピーターの会話のなんと可愛らしいこと。この二人が話を進行していくからこそ、重くて暗い話でも読む気がそがれないのですね。二人はこの物語の主題である「不幸な結婚」というものへのアンチテーゼというかほろーというか。その辺も作者の計算でしょう。

 余談ですが、この本の間から大学の図書館の開館日案内が出てきました。なんと懐かしい……。

2004/12/24(金) 私事・Y.Mさんからのお餅
 昨日の事ですが、中越地震で被害に遭われたY.Mさんから真空パックされた地元、堀之内のお餅が届きました。
 同封されていた手紙によりますと、どうやら無事に日常生活に戻り、元気で過ごしているようです。
 これからあちらは雪の季節。風邪などひかれないと良いのですが。

2004/12/23(木) 本・『待ちうける影』ヒラリ・ウォー/法村里絵訳創元推理文庫
 精神病院に収容され、9年後の今退院を認められた婦女暴行殺人犯エリオット。彼に妻を殺され、再婚してようやく安らぎを取り戻しはじめた高校教師マードックを新たな不安が襲う。エリオットは彼への復讐を企てているのか? 動こうとしない警察。ふたりを記事に仕立て、名声を狙う新聞記者コールズ。孤立無援の中、家族を護るため苦闘する男の、恐怖の45日間を描くサスペンス!
(文庫カバー裏より)

 ずいぶん前に買った本なのですが、読み終えるまで長いことかかってしまいました。
 理由は、内容が好みではなかったから。では、どうしてこの本を買ったのかというと、作者がヒラリー・ウォーだったからです。少し前にヒラリー・ウォーにはまったということは書きましたが、その時まとめて購入したのでした。

 もともとヒラリー・ウォーにはまったのは、しっかりして落ち着いた警察捜査描写に好感を持ったためだったのですが、本書はそういう種類の内容ではないんですね。主人公は異常者からの復讐に脅える高校教師。彼は職場でも信念を曲げないことで上司である校長に睨まれ、生徒たちからはうざったいヤツと思われている、非常に孤立した存在として書かれています。そんな彼の唯一の救いである美しい妻に可愛らしい二人の娘が危険にさらされるのですから、これはなかなかに読み辛い。

 しかし、ヒラリー・ウォーのうまいと思うところは……というか、読者に満足感を与えるのがうまい作家には共通していえる点なのですが……物語が始まった時点では主人公をとりまいているマイナス面が、後半では次々とプラスに転じていくところなんですね。
 例えば。本書で一番、感激してしまったシーンなのですが、彼が必死になってちゃんとした言葉、文章、読解力を身に付けるように説得して嫌がられたり、校長の方針に反して落第させたりした不良たちが、いざ、主人公の危機が確定した瞬間に、こぞって彼を護ろうとするんです。それまでは彼に悪態しかつかず、彼自身、自分の指導に自信を持てなくなっているという状況で、生徒たちは実はその彼の自分たちに向けてくれてる情熱を理解していて、いざという時に彼を支えようとするんですね。
 そういうネガ・ポジを反転させるようなテクニックは、ぜひとも参考にしなければ、と思います。

2004/12/22(水) 私事・粉雪こんこ
 ついに降ってきました白い悪魔が。
 まだ積もるようなタイプの雪ではなさそうですが。
 風は冷たいし、外での仕事はなかなか大変です。

 そのせいか、作業車の軽トラックが動かなくなりました。

 バッテリーがあがったと判断して、他の車から電気をひっぱってなんとかしようとしましたが、これがバッテリーの位置が非常に不便なところにありまして、手も線もとどきません。どうやら前面のカバーをはずさないといけないらしいのです。(なにを考えているんだか、スバルは。これじゃ素人が応急処置できないじゃないか)

 作業員さんみなさんを集めて、車を押してエンジンをかけるという、車オンチの私にはよくわからない技も試してみたのですが、ダメ。バッテリー液が少しでも残っていればかかるのだそうですが、どうやらすっからかんのようなんです。(いったい、どうしてすっからかんになってしまったのかは謎)

 結局、粉雪が降りしきる山の中に置き去りにすることになりました。まぁ、毎日置き去りにしてるんですけれどね。でも、休日を挟んであと一日で終わる現場だというのに、なぜに最期にこんなトラブルが・・・。

12月絵日記の続き


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.