ロバの耳
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2004/11/20(土) 私事・甥と言葉づかい
 甥は五才です。保育園に通っていて、来年は小学生。そろそろ世間の垢にも汚れた始めたようです。

 彼は雄理(ゆうり)という名前なのですが、私たちの前では「ゆうゆ」と自称しています。
 ところが先日、妹が保育園の友だちと遊んでいる彼を後ろから見ていると、「次、オレの番ね」。と言っているのを目撃したのだそうです。
 息子の成長に軽いショックを受けている様子の妹に、私は「友だちの前でまで自分のことゆうゆ≠ネんて言うよりよっぽどいいじゃないか」と言ってやりました。

 以前、『クレヨンしんちゃん』が放送されはじめたばかりの頃、「うちの子供がしんちゃんの言葉使いを真似をして困る」なんていう親からの嘆きがよく聞かれましたが、今も子供たちというのは流行言葉に敏感なようで、「うざーい」とか「ぶっちゃけー」とか「はんぱなーい」などという言葉が飛び交ったりしているようです。
 「雄理くんはそんな言葉、使ってないよね?」と尋ねる妹に、甥は「でも、みんな使ってるんだよ?」と反論。ちょっとした押し問答のあと、「もし、おうちでそんな言葉使ったら、ママ、口を利いてあげないからね」と言われて、「わかったぁ、つかわないぃぃ」とべそをかくのだとか。

 子供の言葉使い、という話では、先日ラジオに面白い視聴者投稿がありました。小一と小四の姉妹の喧嘩の話です。
 小一の妹は学校で丁寧な言葉を習ってくるのですが、小四の姉の方は世間ズレしていて言葉が乱暴。妹はそんな姉に、「お姉ちゃん、そんな言葉、使っちゃ行けないんだよぉ」と言うのに対して、姉の方は「べつにぃ、いいじゃん」などと相手にしません。それが高じて喧嘩になると、妹は部屋を飛び出して、母親に顔を押しつけてくるのだそうです。
 そんなある日、母親がトイレットペーパーに、「おねぇちゃんきらい、おねぇちゃんきらい、おねぇちゃんきらい……」とひたすら書き続けてあるのを見つけました。
 思わず笑ってしまったそうですが、その紙の一番最期に一言。
「でも、言葉ちゃんとしたら、好き」

 みんなの歌

 今、流れている「みんなの歌」ですが、困っていることが一つあります。
 私はいつもNHKラジオ第2にお昼にやっている『ラジオ名人寄席』の後でやっているのを聴くのですが、木曜日に流れている御三家の『小さな手紙』、凄く嫌いなタイプの歌なのに、最近、頭から離れないのです。それがあまりにひどくて、朝、起きると「こんな手紙が〜♪」と流れていたりします。
 何か良い対処法はないでしょうか。誰か知りませんか?

 ところで「みんなの歌」のアニメーション、諫山実生の『月のワルツ』もなかなかです。不思議の国のアリスをモチーフにして、かなり怪しい雰囲気のアニメになっています。


  

2004/11/19(金) 朗読・『藤沢周平を読む』
 映画『隠し剣鬼の爪』に合わせてでしょうか。今、NHKラジオ「私の本棚」では『藤沢周平を読む』という藤沢周平特集が組まれていて、3編の短編が読まれています。
 実は藤沢周平はまだ一冊も読んだことがありません。歴史小説は読むのですが、時代小説はあまり興味がないのです。

 ここまで『冬の日』、『運の尽き』と2作読まれましたが、筋は人情話なので嫌いではないです。ただ、最近本も高いので、買うとなるとためらわれます。金銭に余裕ができるか、古本で美品があったら手にしてみますか。

 現在放送されているのは『女下駄』。バツイチ同士で結婚した仲の良い夫婦。その下駄作り職人の旦那に兆す妻への不貞疑惑・・・。まぁ、これまで触れた藤沢周平作品のパターンからすると、単なる誤解で結局はハッピーエンド、となるはずです。

2004/11/18(木) エッセイ・『ありふれた生活232』三谷幸喜 朝日新聞
 朝日新聞の朝刊に三谷幸喜が連載している『ありふれた生活』に、先日観た『笑の大学』のことが書いてありました。

 N氏がBBSで指摘していた通り、この作品は芝居でも上演されていたのですが、もともとはラジオドラマとして書かれたものだったのですね。ラジオドラマ→舞台→翻訳ロシア上演→落語→映画というような変化だったようです。ラジオ版が94年のことなのだそうですから、十年の間にずいぶんといろいろな媒体でとりあげられたものです。

 舞台版をビデオで観た三谷ファンの後輩が、映画版を観て、「舞台版より時間は短いのにやたらと間延びしているように感じられた」と言っていました。私も感じたことなのですが、映画版は無駄なシーンが多い気はします。映像としての自由度が広がったぶん、そこにどんな絵を入れるかが監督の腕で、作品の特色にもなるのでしょうが、そこがイマイチうまく生きていない。もちろん個人の好みの問題でもあるのでしょうが、私ならあの話は、無駄のないラジオドラマが一番楽しめるような気がしました。

 余談ですが、『笑の大学』の二人の登場人物、映画では検閲官・役所広司、作家・稲垣吾郎という配役でしたが、舞台では西村雅彦と近藤芳正、ラジオでは三宅裕司、板東八十助が演じたそうです。ロシア版はユーリー・イツコフとドミトリー・レベデフ。

未来少年コナン

 第3話「はじめての仲間」。ジムシィとの出会いの巻です。NHKがクレームをつけた煙草を吸うシーンが出てきました。これはクレームつけるかも。よく放送したなぁ・・・。8話の水中での空気口移しシーンといい、宮崎監督も若い頃はかなりチャレンジャーだったんですね。

2004/11/17(水) 映画・『隠し剣鬼の爪』監督/山田洋次
 一言で評すると、「熟年夫婦がそろって楽しめる映画」とでもいえばいいでしょうか。

 『たそがれ』の時のような衝撃というか、新鮮味はありませんでした。ストーリーまで似たような感じでしたし。それがさらにベタな展開になっていたのは、外国の賞でも狙っていて、外人にもより内容を理解してもらおうという配慮だったのでしょうか。

 役者は良い人が揃っていました。
 というか、こういう作品にこういう役者を揃えるあたりが監督の腕・・・というか、味の出し方なのでしょう。吉岡秀隆や田畑智子は、出てくるだけで場をなごませるような雰囲気をもっている役者で、結構好きです。
 一番ハッとさせられたのは、主人公の剣の師匠・戸田寛斎役の田中泯が、竹を持って素振りをするシーンでした。これは格好良かった。

 また、この話、『メイドとご主人様の禁断のラブストーリー』ととらえることもできます。
 そちらの方面がお好きな方はぜひご覧になってください。

2004/11/16(火) 落語・『呼出し電話』二代目三遊亭圓歌
 先代の圓歌の十八番だそうです。出てくると必ずリクエストされた噺なのだとか。今回の録音も高座でそのリクエストに応じて演じたものです。十五分の短いバージョンから、二十分以上のたっぷりバージョンまで、いろいろやりわけがあったとか。

 ところが、です。
 不覚にも途中で寝てしまって、気がつくと噺が終わっていました。だから、どんな噺なのか解説できません。すみません。
 寝てしまったのは新作ゆえ? でも、まくらのあたりではけっこう笑っていたんだけどなぁ。

2004/11/15(月) 落語・『桃太郎』四代目柳亭痴楽
 こまっしゃくれた子供が大人をぎゃふんと言わせる話。割と好きなタイプの話です。

 子供を寝かしつけようと、『桃太郎』の話を始めた父親ですが、子供は素直に話を聞かず、いろいろと質問ぜめにします。あげくには、子供の方が『桃太郎』の学術的な解釈を父親に説明し始めて……。

 痴楽というと「痴楽綴り方教室」ですね。といっても、私も生で聞いたことはないですし、今の若い人にはなんのことやらという感じでしょうが。ヒットしたのが昭和29年ですし、昭和48年には脳血栓で一線を退いてしまいましたから。今日の昭和37年の録音でも、まくらで「柳亭痴楽はいい男、鶴田浩二や錦之助、あれよりグンといい男」とやっていました。
 一時は大変な人気だったのですが、病気で身体が動かなくなると周囲にいた取り巻きもいなくなり、後には借金2000万円だけが残されます。昭和55年には夜の勤めにまで出て痴楽のリハビリ生活を支えた妻が急死、痴楽には子供がなかったため、その後は妻の実家が痴楽の金銭的な面倒を見ますが、多額の出費を支えきれなくなり、昭和62年に特別養護老人ホームへ。 
 老人ホームのベッドで痴楽は高座の夢をよく見たらしいです。それも、客が笑わない夢を……。
 平成5年には高座復帰しましたが、その年に亡くなりました。

 ちなみに、林家たい平のやる「紙くず屋」には、くずの中から「痴楽綴り方教室」の雑記帳を拾うというネタがあります。これが初めは私もなんのことやらピンと来ませんでした。

2004/11/14(日) 私事・カメの冬眠
 一般的に言われているところの「旧暦」、「農暦」ともいわれる「太陰太陽暦」では先週の木曜日が9月29日で、秋の終わりの日でした。「旧暦」では秋は7、8、9月ですからね。

 自然の動きを見る場合には「新暦」より「旧暦」を見るとよくわかる、なんていうことを申している人がおります。「旧暦」には閏月というものがあって、1年が13ヶ月になったりするのですが、例えば今年は2月が二回あったそうで、この2月が二回ある年というのは天候が不順になりやすいという統計があったりするのだそうです。また、5月が二回ある月はいつまでも暑かったりという具合に、その年の天候は旧暦を見ればだいたいわかると言われているそうです。

 で、こちら宮城も昨日あたりを境に気温が下降しました。まぁ、そういうこともあって、そろそろカメを冬眠させなくちゃと思い、寝床となる腐葉土と落ち葉を拾いに青根温泉に行ってきました。

 青根は遠刈田温泉から蔵王の不忘山に向かう道をまっすぐ川崎方面に抜ける山の峠にある温泉です。公共浴場が150円。休日ともなるとわりと人で混み合います。男女は別れてはいるのですが、しきりが低いために互いの洗い場などは見えてしまいます。
 実は私は目が悪いためにしばらくそんなことには気づいていませんでした。もうずいぶん前になりますが、東京の大学の女の子の後輩が二人、うちに遊びに来てくれたことがあって、その公共浴場に連れて行ったことがありました。二人が入っている間、私は車で待っていたのですが、入浴してきた二人に、「まる見えですね」と言われて初めてそのことを知ったのです。偶然とはいえ、車で待つことにして本当に良かったと思いました。危うく人格を疑われるところでした。

 青根温泉には古賀政男を記念する碑が建っております。そこには大学の友人たちを連れて行ったりもしたのでした。(関先生やN氏もその時一緒でした)その周辺の側溝の泥と落ち葉をかき集めてケースに入れてきました。

 家に帰ると、カメの水槽の水を抜き、カメを中からとりだして、その落ち葉の中に埋めました。毎年このパターンです。初めはじたばた暴れたりもしますが、そのうちおとなしくなります。

 これで来年の春まで、カメとはしばしのお別れです。
 

2004/11/13(土) 本・ローマ人の物語13『ユリウス・カエサル ルビコン以後(下)』 塩野七生 新潮ハ
 カエサル暗殺から、ローマ帝国初代皇帝となるオクタヴィアヌスが政敵アントニウスとクレオパトラを倒すまでが書かれています。

 旧体制を復活させようとカエサルを暗殺したブルータスら14人の元老院議員でしたが、ローマ市民の指示を得られず、それどころか憎しみを買うことになって、ローマを脱出することになります。
 さて、カエサルの遺言状を確認すると、後継者として指名されていたのは若干19才のオクタヴィアヌスでした。オクタヴィアヌスは政敵となるアントニウスとまずは手を組むことにし、これにレピドゥスを加えて『第二次三頭政治』を立ち上げ、カエサルを暗殺した一団を粛正していきます。
 首謀者ブルータスの死後、オクタヴィアヌスとアントニウスとの対立は深刻になり、ついにはクレオパトラと手を組んだアントニウスとの軍事対決にまで発展。雌雄を決するためにアクティウムの海戦が行われるのです。

 カエサルとは実に魅力的な人物です。
 世にたくさんの魅力的な英雄たちはおりますが、人の能力を見抜く力に優れていたという点においては、カエサルほどのものがいるでしょうか。
 オクタヴィアヌスは、カエサルとは妹の娘の子、という関係です。このまだ特に実績もない若者を、自分の有能な側近たちをさしおいて、カエサルは早々に後継者に指名していた。これには周りも驚いたでしょうが、オクタヴィアヌス自身も驚いたのではないでしょうか。
 オクタヴィアヌスは決してパーフェクトな人物ではなかったようです。胃弱で病気がちだったようですし、軍事的な才能もありませんでした。カエサルはそれもちゃんと見越していて、軍事的な才能のある同年代の者、アグリッパを補佐として彼につけてすらいます。
 実際、オクタヴィアヌスはカエサルの期待に見事に応えました。カエサル流のやり方はしませんでしたが、きちんとカエサルの意志を組み、1000年帝国の礎を築いたのです。

 

2004/11/12(金) 本・『エンド・ハウスの怪事件』アガサ・クリスティ 厚木淳訳 創元推理文庫
 中越地震のせいで、もう三週間も「NHKアニメ・名探偵ポアロとマープル」が先送りになっています。
 放送予定だった『エンドハウスの怪事件』、読んだことがなかったので楽しみにしていたのですが、もう我慢できずに読んでしまいました。
 クリスティはずっとハヤカワ・ミステリ文庫で買っていたのですが、最近それがアガサクリスティ文庫とかいうものに変わってしまい、揃えている意味がなくなってしまいました。だから創元の方で買いました。ハヤカワより値段が安いので。

「イングランド南海岸の風光明媚な海浜にあるエンド・ハウス。そこの当主である若く美しい娘のニックは、このところ再三にわたって奇妙な事故に遭遇し、あやうく命拾いをしたところだった。たまたま保養のために来合わせて、この話を小耳にはさんだ名探偵ポワロ。彼の灰色の脳細胞が動き出した。ポワロの眼前で大胆不敵に遂行された狙撃未遂を契機にして彼は本格的に事件にとり組みはじめた。しかし、ときすでに遅く、はやくも最初の犠牲者が血祭りにあげられてしまった。完全犯罪をもくらむ姿なき犯人は?」
──文庫本のあらすじより

 この『エンド・ハウス』は初期の傑作なのだそうです。
 ところが作品中に『アクロイド殺し』に携わったという記述が出てきます。『アクロイド殺し』では確かポアロが引退を考えていたはずで、この『エンド・ハウス』でもポアロが「仕事から身を引く」という話題を口にしています。それなのに初期なのか?と疑問に思い、ちょっと作品の発表順序をチェックしてみました。

 そうしたら……まぁ、ポアロ・ファンには常識的なことなのでしょうが、びっくり。
 ポアロのデビューが『スタイルズ荘の怪事件』で1920年。長編2作目は1923年の『ゴルフ場殺人事件』。そして3作目が1926年の『アクロイド殺し』なんですね。『アクロイド殺し』って、そんなに初期の作品だとは思ってませんでした。実はこれがクリスティの出世作だったんですね。
 で、人気が出たのでしょう。27、28年とたて続けに一作ずつ発表して、32年に本作を発表したわけです。
 ポアロ物の長編は全部で33作書かれています。そのうちの6作目ですから、確かに初期ですね。

 さて、読んだ感想なのですが……いかにも「ミステリ」という感じの作品でした。伏線やら動機やら、意外な犯人やらがぎっしり詰まっております。(もっとも、『アクロイド』で驚かされた読者がこの程度の犯人を意外と感じたかどうかは疑問ですが)
 残念ながら、ここ数年、この手の作品は楽しめなくなってしまっています。やっぱり、クリスティは後期の方がいい。犯人の意外性よりも、動機に深みがある方が面白いです。
 

2004/11/11(木) アニメ・『未来少年コナン』
 『ハウルの動く城』公開を間近に控えた宮崎駿監督初演出作品です。
 先週から本家NHKで始まりました。以前、フジ系の早朝アニメとしてやったりしていたので、版権を売ったのかと思っていたのですが、取り返したのでしょうか。

 実は1話だけ見たことがなかったのですが、その1話について宮崎監督はこんなことをおっしゃってます。

「1話を見た瞬間、首を吊ろうかと思った」
「ラナっていうのはね、コナンが一目見た途端に、一生この女のために頑張るぞというくらいの美少女でなければならないと(僕は)思いこんでるのに、すごいブスラナが出てきましてね」

 1話の作画監督は大塚康生さん。二話から全部原画チェックを始めた宮崎監督に、大塚さんはすっかりコンプレックスに陥ったとか。

「コナンがラナを抱え上げる時は鳥のように軽やかに℃揩ソ上げなければならないのに、大塚さんは理屈の人だから、ヨイショって持ち上げてる。あれは大塚さんが奥さんを持ち上げてるんだなんて悪口を言ったりしたね」

 実際、先週初めてそのシーンを見た時、なるほど、その通りだなぁ、と思いました。
 上のコメントを読んだのはもう二十年も前なのですが、いちいち監督のコメントを確認するような見方をしてしまいました。
 

11月絵日記の続き


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