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2004/10/05(火)
『目黒のさんま』 十代目金原亭馬生
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落語、というとすぐにこの噺を思いつくのではないかと思われるほどに有名な話です。
玉置宏は、馬生の小さな頃は父親の志ん生が著書『なめくじ艦隊』でも書いている通りかなりの貧乏人だったので、さんまなぞ滅多に食べたことがなかったのではないか、などと言っておりました。 次男の志ん朝の育った頃は売れっ子になっていて、暮らし向きも楽になっていたそうですから、さんまなどは食べ慣れていたことでしょうが。
現役の落語家さんで聞いた『目黒のさんま』で印象に残っているのは柳家喜多八です。いつも具合が悪そうに出てきて、「この風情がご婦人方にはたまらないのだそうで」とくすぐる噺家さんです。さんまの旨さを語る語り口を思い出すたび、今でもさんまが食べたくなります。
落語といえば、今日のNHKラジオ十時からの「ときめきインタビュー」に林家こぶ平が出ておりました。先日、台風情報で流れてしまったのが、今日になったのですね。 本人はもともと古典がやりたかったのだそうで、前座時代にテレビの仕事をしすぎたせいでそれが後回しになっていたとのこと。父・三平は前座名をそのまま使ってそれを大きくしたとのこと、自分はむしろ大名跡を継いで、それをメディアへ頻出させることで落語会の発展を狙いたい、とのことでした。 私はどうも彼の古典はイマイチのような気がするのですが、意外なことに、十年前の真打ち審査で落選しかけていたこぶ平を推したのは私の大好きな小三治だったそうです。「こぶ平は太い話をする」って、おい、本当? さらには、名人・志ん朝にも目をかけられていたそうですね。亡くなる寸前にいろいろアドバイスも受けていたようで。それで今の自分があるのだと言っておりました。 これは……私に見る目がないのか、それともこぶ平がよほどそういう名人から好かれるたちなのか。とにかく今後の展開を見守りたいと思います。(大化けするのかなぁ?)
ちなみに明日の「ときめきインタビュー」は、手塚治虫の娘、手塚るみ子さんです。
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