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2004/10/14(木)
銭形平次捕物控(五)『金の鯉』 野村胡堂 嶋中文庫
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この巻には女性の拐かしや神隠しと言ったネタが多く、昭和初期によく書かれたような妖しくSMチックな雰囲気にはちょっと閉口しました。
「二度死んだ男」
吉原に小判を降らせるという大通気取りの大徳屋孫右衛門が、自分が死んだら誰が悲しむだろうという狂言芝居を打ちますが、隠れていた納戸の中で刺殺されます。はたして犯人は?
「金の鯉」
芸者・幇間を引き連れ、白粉臭い生きた屏風に取り巻かれて一本千両の竿に高尾、小紫の生き毛をつけ・・・。 江戸の大通万両長者伊勢屋新六が本所竪川で釣りをしているうちに、何者かに水中へと引きずり込まれます。もっぱら河童にやられたという噂。引き上げられた伊勢屋は死に際に金の鯉≠ニ言い残していました。
「呪いの銀簪(かんざし)」
若くて美しい芸妓が銀簪を深々と右目を刺されて殺されます。必死に下手人を捜す平次。しかし、お縄にできないうちに同じ手口によって犠牲者が二人、三人、四人と増えていきます。どれも若くて美しい女ばかり。はたして犯人の狙いは・・・。
他七編
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