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2004/10/01(金)
NHKラジオ「私の本棚」
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『神も仏もありませぬ』佐野洋子著・藤田弓子朗読が昨日で終わりました。思っていたより楽しく聴けました。 歳の話、老いの話、ボケの話、激しい物忘れの話。愛猫の死の話(マロの死に際の風景と重なって悲しくなりました)、近所の人たちの話、蜂蜜の話、朝鮮人参の話。重いテーマもありましたが、作者の開き直り感やユーモアで、むしろ聴いていると心が軽くなりました。 代わりに今日から始まったのは『ゆらしい島のスローライフ』金丸弘美著・槙大輔朗読。一家で徳之島に引っ越した作者の島暮らしを綴った初エッセイ。ちなみに「ゆらしい」というのは「ゆっくりとした」という意味だそうです。これもまたなかなか楽しそうです。
稲垣版金田一『八墓村』
スピーディでコミカルな八墓村でした。面白いことは面白いのですが、微妙な?感が残りました。 私がうまくやったなと感じた点は、キャラとして横溝正史を出していることです。横溝と金田一の会話という形で、八墓村のいわれや祟り、過去の三十二人殺しなどをまず一気に説明してしまう。これはあの長い話をはしょるにはうまい方法だと思いました。 それから西屋と東屋という設定をカットしてしまったこと。この対立設定は単なる味付けで、本編には意味がないですからね。ヒロインである典子もあの展開ならカットで正解でしょう。 気になったのは、演出上わざとやったのでしょうが、懐中電灯をはちまきに縦に刺していること。本来は前方を照らし視界を確保するためにつけているはずのものですから、縦にさすのは無意味でしょう。 基本的に怨念話にはしたててあるのですが、ホラー色は完全に失せました。このドラマを見て恐いと思う人はまずいないと思われます。
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