Diary in 日高
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2004/05/05(水) 青空の下で
2日間の雨が嘘のように晴れ上がり、空いっぱいの青。その空を見ながら、「やっぱり今日は晴れたね。」とつぶやく。日高めぐりの最終日は、私が一番行きたい場所を訪問する日。そして、いつもその日は晴れ。いつもいつも真っ青な空に、優しい太陽が包まれている。

今回一つ心配だったのは、あの台風の後、放牧地がどれくらい回復しているかだった。今でもあの夏の日に見た、泥を被ってしまった放牧地と、彼が眠る場所のすぐ近くまで流されていたたくさんの枝が目に焼きついている。あの優しい場所が、もとの美しさを取り戻しているだろうか...。途中お花とニンジン&バナナを買い、新冠から平取まで車の中ではそのことが一番気になっていた。平取の町に入り、義経神社を通過して...。目に入ったのは、一面の緑。まだ馬たちは放されてはいないものの、以前のようにきれいな草が生え揃った放牧地だった。ホッとするとともに、自分の家が元通りになったような嬉しさでいっぱいになった。そして、私の大好きな彼は、今回も優しく私を迎えてくれた。たくさんのお花に囲まれて、柔らかな風に吹かれて、そこにいてくれた。お墓の前に座っただけで、なぜだか涙が止まらなかった。説明の仕様がない、絶対にそこに彼が、大好きなスズちゃんがいてくれるという感じ。「またきれいなお家に戻ったでしょ?」と言っているのが聞こえるような気がした。加茂さんがお仕事を引退されたこと、これからカイザー君に会いに行くこと、☆とちょっとは上手に練習ができるようになったこと、今年は絶対11月に会いに来ること...。たくさん話をして目をあけた時、本当にそこに彼が立ってくれているのが見えたような不思議な感覚に包まれた。いまだに信じたくない現実を、現実だと知らせる悲しいはずの場所なのに、優しくて、本当に優しくて離れたくない場所。何度も何度も振り返りながら、「11月にね」と言って平取を後にした。

次に向かったのは、☆のパパがいる社台SS。今回もゆっくりとお父さん達に会わせて頂いた。ファルブラヴ、ウォーエンブレム、マンハッタンカフェにアドマイヤコジーン、ダンスインザダークにスペシャルウィーク...。名前をあげるだけでため息が出そうな皆様ばかり。改めて社台の大きさを知る。放牧地でゆっくりと過ごす種牡馬の皆様を間近にし、ひたすら「きゃ〜」と声が漏れそうになるのを必死で堪えての見学だった(笑)。特にカメラを覗いていたら、まっすぐにこちらに向かって来てくれたマンハッタンカフェとファインダー越しに目が合ったときには、心臓が止まりそうなくらいの衝撃だった。その写真がきちんと撮れていないのが残念でならない。見学途中に小高くなっている場所に並んだ石碑が見えた。日本競馬界に多大な功績を残してこの世を去った皆さんの眠る場所。一つだけ、離れた場所にある石碑。それがサンデーサイレンスのお墓だった。絶対に来れないだろうと思っていた場所だと話すと、案内をしてくださった方は快くその場所へ連れて行ってくださった。目の前にする偉大なサンデーサイレンスのお墓。知らぬ間に、鳥肌が立っているのに気がついた。本当はあなたがお元気な時に、こうして会いに来たかった...。お墓の前には、父に初のダービーをプレゼントしたタヤスツヨシが放牧されている。息子達の活躍をきっとここから眺めているに違いない。

約一時間じっくり見学をさせていただき、とても貴重なお話もたくさん伺った。夢のような配合が午後に予定されていること、ウィークがイメージとは違って結構きつい性格だということ。ジャングルポケットは、人が自分の放牧地から離れそうになると「いっちゃうの?」という顔で追いかけてくること。新種牡馬にかかる期待。間違いなくここが現在の競馬界を引っ張っていることを実感させられた。その後、下の放牧地にいるテイオーパパに会いに。相変わらず超ハンサムなパパは、草を食べるのに一生懸命でなかなか顔を上げてくれなかったが、諦めて帰ろうとするとまるで(勝手にそう思っていることは重々承知しているが)私が離れるのを追いかけてくれるように近づいてきて、とてもいい表情を見せてくれた。思わず激写し、パパに「ありがとう!」と言って手を振ると、パパはそのまままた草を食べに戻って行った。これで、☆にかっこいいパパを見せられる。そのためにサービスしてくれたのだと、今でも信じて疑わない私である(笑)。

最後はノーザンホースパークへ。まずはカイザー君にご対面。カイザー君はお疲れなのか馬房にぼ〜っと立ったままで、顔を出してくれなかった。必死に馬房を覗き込み、一方的に話し掛けた。写真は撮れなかったけれど、元気そうでなにより。その他、トウカイポイントやマックロウとも会うことができた。みんなたくさんのファンに囲まれて、サービスが大変そう。そして、もう一人の娘、ラブポップスちゃんに会いにNF空港へ。すでに250頭のライバルと一緒の生活に入っている娘はどうやら結構なお転婆さんらしい。馬体も昨年の夏とは別人のように首も太く立派になっている。記念写真を撮っていただきちょっとだけ触ってみると、すべすべのお肌で調子のよさがよくわかる。この気性がいい方にでてくれれば、この子でクラシック制覇も夢ではないかもと勝手に期待は膨らむばかり。次に日高に来るころには、すでに入厩しているかもしれないからこうしてすぐ側で会えるのは今回が最後かもしれない。とにかく無事に元気で調教を終え、デビューしてくれる日を待ちたいと思う。

今回も沢山の方たち、沢山のお馬さん達に会わせて頂いた。雨に意地悪をされながらも、その分思いがけない幸せを頂いて、無事に、そして楽しい訪問をさせていただけたことに心からの感謝でいっぱいである。すでに頭の中は、初の秋の日高めぐりでいっぱい。とねっこちゃんたちも大きくなっているだろうし、お母さん達やお父さん達もまた違った表情を見せてくださるだろう。そして、いつも温かく迎えてくださる牧場さん。ようやく出会えた日高の青空の下で、「また帰ってきま〜す!」と叫びながら春の旅を終えた。


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