Diary in 日高
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最新の絵日記ダイジェスト
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2003/08/14(木) 最後の日に...
最終日。今回も同じルートで空港まで行くつもりである。唯一心配なのは、被害がひどかった平取町がどうなっているのか。もしかしたら、今回はスズちゃんに会いに行けないかもしれない。それでもとにかく行ける所までと思いながら新冠を出発した。

来る時には迂回になっていた厚別川にかかる橋も、帰りはそのまま通ることができた。復旧の早さに驚くと共に、お盆を返上して工事に当たっている方達に頭が下がる思いであった。順調に平取の町までは入ることができ、いつものお花屋さんで花束をお願いする。作っていただいている間に、被害の様子をうかがったが、ダムに近いところでは今だに道路が遮断されていて、入っていけないとのことだった。お花屋さんのある街の皆さんも避難をし、鳴り響くサイレンの音に不安な時を過ごしたとおっしゃっていたが、その恐怖感たるやどれほどのものだっただろう。

空はいつになくどんよりとしていた。いつもの平取は絶対晴れなのに。もしかしたら本当に今回は無理かもしれないと心をよぎった。義経神社を通り過ぎ、目の前に稲原牧場さんが見えたときには唖然としてしまった。いつもはお馬さん達が悠々と過ごしている放牧地が、泥で埋まっている。お墓へ通じる道は、沙流川から上がったのか、それとも後ろの沢から流れてきたのか、小さな流木がいたるところに。車をとめて入っていけるかどうか見ていると、もう一組お墓参りに来ていた方達が、ここからは無理なので、牧場さんの敷地を通ってお参りしてくださいと言われたことを教えてくれた。私の大好きな場所が、こんなにも被害にあっている。胸が押しつぶされそうに苦しかった。

お言葉に甘えてお墓参りをさせて頂くことにし、花とニンジンを持って車から出た途端、さっきまでのどんよりした空とはうって変わって、お日様が顔を出し青空が広がっている。お墓の前に着くと、そこだけはいつもと変わらない、きれいな緑に囲まれた優しい表情だった。青空の下お祈りをし、ふと目を空けた瞬間、そこに栗毛のお日様がいてくれるような錯覚を起こした。お墓まであともう少しのところまで、流木は迫っていた。お墓だけが守られていたかのように、花に囲まれ静かに佇んでいた。まるで不思議な力が、その場所だけは彼の輝いていた栗毛のように美しいままにしていてくれたかのように。ずっとそこにいたい気持ちを抑え、ご迷惑にならないように少しだけお邪魔をして帰ることにした。その間ずっと晴れていた空から、「また来てくれたんだね。」と声が聞こえたような気がした。何度でも来るよ。私の大好きなあなたに会いに。あなたが生まれ育った、私の大好きな場所に来たいから。どうか一日も早く、元のように美しい放牧地に戻りますように。牧場の皆さんを励ましてね。そうスズちゃんにお願いをしながら稲原牧場さんを後にした。

いつも通る平取から早来への道は、路肩が崩れたため通行禁止。国道を通って社台SSへ。今回は晴れて会員となったこともあり、ゆっくりと種牡馬の皆さまに会えることになった。案内をされて厩舎へ。そこには究極の美しさをたたえたお父さん達が。寝ワラ一つとっても、考えられないほどの贅沢。ふかふかのピカピカである。今まで会えなかったフジキセキやダンスインザダーク、きりりと顔をあげて「どうだい」とでも言いたげなアドマイヤコジーン。サンデーパパそっくりのマンハッタンカフェ。ため息がでるばかり。圧巻はやはり☆のパパ、トウカイテイオー様。ラッキーなことに、厩舎の外にいるパパに遭遇でき、立ち姿を撮らせていただいた。何でもパパのたてがみと尻尾のカットは、一番上手な方が担当しているとか。そりゃぁ、このかっこよさですものね。☆に見せるため、できる限りのアップで撮影した。本当にパパはハンサム。のんびりと過ごすノーザンテースト御大にも会うことができ、充実してあっという間の見学だった。

その後はお昼もかねてノーザンホースパークへ。ここではどうしても会いたいお馬さんがいる。5月に会えなかったカイザー君。前にいた馬房を見ると既に違う名前がかかっている。係の方に伺って、新しい馬房に行くと、カイザー君はのんびりとあくびをしていた。現役の時のイメージから、もっとカリカリしているかと思ったが、本当にのほほんとした顔つきでこちらを見ている。鼻をちょっと撫でさせてもらいながら、加茂さんのことや橋田先生のこと、それからスズちゃんのことを話した。ところどころ首を振っていたのは「うんうん」の意味だったのかな?でも本当に元気そうで、「カイザーじゃん」といいながら会いに来る人たちもたくさんいて、新しいお家でも幸せに暮らせそうでホッとした。

今回の旅のオーラスは、娘になってもらった1歳の女の子に会いに。エルコンドルパサーの仔である。一目見たときからどうしても気になって、清水の舞台から綱なしバンジーをするくらいの気持ちで出資を決めた仔。あの毎日王冠を一緒に走っていた、そして今もきっと一緒に走っているパサーの仔がほしかった。おじいちゃんがサンデーサイレンス様ということもあり、この娘さんは結構気が強そう。「レースでいい方に出れば楽しみですよ。」と言って頂き、期待は膨らむばかり。とにかく無事に調教をこなしてデビューの日を迎えてくれることだけが今の望みである。

今回もたくさんのお馬さんとたくさんの方達に出会った。この大変な中、どの方も私達を温かく迎えてくださった。どの馬達も私達に幸せな時間をくれた。皆さまに心から感謝である。来年の5月に戻ってくる頃には、また美しい日高に戻っていてほしい。どうか日高が一日も早く元気になりますように。そう願いながらいつものように「帰りたくな〜い!」を連発して、飛行機に乗った。


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