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2004/03/06(土)
富嶽一景
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◆万葉集に『田子の浦ゆ うち出て見れば 真白にぞ 冨士の高嶺に 雪は降りける』(山部赤人)とある和歌を詠んで以来、いつの日かその田子の浦で富士の実景を見てみたいと思っていました。現実にはなかなかその機会がなく黒髪も白髪に変わるほどの時を経て、このほどやっとその念願がかないました。
◆現代のこととて予想はしていましたが、現在の田子の浦はすっかり埋め立てが進んで工業地帯と化しており、全く昔の面影はありませんでした。それらしき面影を尋ねて車を走らせること数十分、やっと工場街の一角に「富士と港が見える公園」に、偶然辿り着きました。そこから撮った写真が、右の"真白き富士の嶺"の殺風景なカットです。これも時代の変遷で、仕方ありませんね。(^^)(手前は航行する貨物船)
『天地の 分かれし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 冨士の高嶺を 天の原 振り放け見れば 渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくぞ 雪は降りける 語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 冨士の高嶺は』(山部赤人 3-317)
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