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2004/01/31(土)
思えば遠く来たもんだ…
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◆今日で厳冬の一月も終わりです。月日が経つのは早いもの。ついこの前、新年を迎えたばかりだというのに…。徒然なるままに何がなしの感慨を覚えていると、ふとこんな詩を思い出しました。
◆(閑話休題) 『思へば遠く来たもんだ 十二の冬のあの夕べ 港の空に鳴り響いた 汽笛の湯気は今いづこ
雲の間に月はゐて それな汽笛を耳にすると 蕭然として身をすくめ 月はその時空にゐた それから何年経ったことか 汽笛の湯気を茫然と 眼で追ひかなしくなってゐた あの頃の俺はいまいづこ 今では女房子供持ち、 思へば遠く来たもんだ 此の先またまた何時までか 生きてゆくのであらうけど
生きてゆくのであらうけど 遠く経て来た日や夜の あんまりこんなにこひしゅては なんだか自信が持てないよ
さりとて生きてゆく限り 結局我ン張る僕の性質(さが) と思へばなんだか我ながら いたはしいよなものですよ
考へてみればそれはまあ 結局我ン張るものだとして 昔恋しい時もあり そして どうにかやってはゆくのでせう
考へてみれば簡単だ 畢竟意志の問題だ なんとかやるより仕方もない やりさへすればよいのだと
思ふけれどもそれもそれ 十二の冬のあの夕べ 港の空に鳴り響いた 汽笛の湯気や今いづこ』(中原中也「頑是ない歌」)
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