徒然ジムノペディ
ここは管理人KAHNの日々の徒然を書き綴ったどうしようもないページです。
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2005年3月
前の月 次の月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新の絵日記ダイジェスト
2007/06/08 夜の弔い
2007/05/08 人は決して眠らない。
2007/02/28 ひどい戯言。
2007/02/08 いやなもの
2007/01/03 1月4日午後6時国立駅集合

直接移動: 20076 5 2 1 月  200612 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200312 11 10 9 月 

2005/03/31(木) Grab it Attack it/KEN ISHII
一日中東京の汚く重い春の空気を吸って歩く。渋谷・原宿・新宿。おそらく表参道を十代の若造として歩くのは今日が最後なんじゃないかと漠然と考えてみたり。いや、でもそんなかんじがする。
いつも都心に出ると決まって体調が悪くなる自分だが…なぜか今日は快調。少し不安になる。だってさ…今年花粉症も出てないんですよ…平年はすごい辛いのに。。。ってことは、免疫力が全般的に下がってるもしくは免疫が機能してないのでは!!
都心でて体調悪くなるのとかある意味体がちゃんと都市の毒素から守ろうとしてくれてるわけでしょ…もしやもうすでに超強力なウィルスによって全身を蝕まれてるのではないか!!???…なんてことを考えしまう程健康なことに感謝。
健康であれば病になることを憂い金持ちになれば金を失うことを憂う。人間は満足しない生き物です。
洗練された高層都市において最も醜くソフィスケートされてないのは人間です。

渋谷スクランブルの中央に来るたびに思う。ここで時を止めたらどんなにか楽しいだろうか。おそらく縦横に行き交うアビーロード軍団(笑)をくぐり抜けて歩道にでるまでがまず結構大変だったり…あっでもドミノ倒しみたいにたおしてきゃいいのか…わぁ楽しそう。

今日は朝からテクノ気分。KENISHIIとBasementJaxxとYMOを一日聞きまくる。
提案:眼鏡のうえからかけても耳が痛くならないヘッドフォン開発したらちょっとお金になる…かも。いや…ならねぇか。でも真剣に痛い。
普段テクノは家で何か作業してるときとかのBGMで街歩く時はウタモノが多いんですが…街でテクノもいいな。。。なんかいろいろと冴えてくる。コンスタントに八割で動ける感じ…。よし、登下校テクノ採用!明日からはWIREシリーズで!でもLIVE音源は観客の声がうるさいんだよな…。。。

んでGETしたのはコンタクトレンズ。これで文化祭終わるまでは安泰。。。今後の忙しさを見越して事前策さ。ちょっと面白いことしてみたから多分馬鹿にされること請け負い。別にいいしそれがオレだし。It's me 「明日は嫌いだよ…」
度ががつんと上がる。今まで0.3の世界を見てたらしい…これからは0.8の世界。。。2.0の世界を見てみたいな。ってか自然界だったらオレ自然淘汰されるべき不良遺伝子だな。。。

志望校の○大の日本史をやってみた。。。4点…笑 いや、わかんねぇって全然。。。うわぁ…こんなむずいんだ。。。やっといてよかった。やる気でたわ……ちなみに数学は0点(あるいは部分点3点くらい?)笑 スタートラインはこれ以上ないくらい低い!!!頑張るぞぉい!
…三日坊主どころか三日持つかどうか…この気合い。。。

イキルイミのかわりに手にしたカスタードパイ
緑のガラスを通り抜けて 動いた窓辺のマグカップ
ハロー妖精君 残念だけど僕には見えないんだ

2005/03/30(水) SKY HIGH/ジグソー
僕は勉強すべきなんだと思う。けどそれをやってないからいろいろと不具合が生じてる気がする。自分がすべきこと、ってたいがい嫌なことが多いね。逆に自分がしたいことってするべきじゃないことの方が多いし。

午後は久しぶりに家でゆっくりしてTSUTAYAで映画借りてみて、のんびりピアノでも弾いて。ギターでも弾いて。部屋の掃除して。あっ結構幸せ転がってんじゃんこういう身の回りにも、と思った。小さなポジティブ。目をそらすのも悪くないな。

私って○○な人じゃないですか〜?っていうしゃべり方が嫌い。んなおめぇがどの機種の人間かなんか知ったこっちゃないし。語尾をいちいち上げてしゃべるのもやだ。最近おばさんに多い傾向と見た。若さアピールのつもりだろうか。○○↑?って一体誰に聞いてんだっつーの。全部否定の相づちを入れてやりたくなる。

後ろから忍びよるウェイターが怖い。

フランス人が牛乳飲むような普通の円柱のグラスでワインをどぼどぼついで飲んでるのを見てアセトアルデヒド分解酵素が一種足りないことがこんなにも差を生むかと少しカルチャーショック。ノンアルコールビールはあるのにノンアルコールワインはないところを見ると、あまりおいしくないかアルコール抜いたらただの葡萄ジュースだからか。。。ノンアルコール清酒とかもはや水ではないかと思う。ノンアルコールヴォッカとかね。あっちなみにヴォッカはロシア語で「かわいい水」の意だそうで。。。ロシア人の感覚がわからん…。

なんか書いてるうちにどんどん話しがかわる。言語学者じゃないし比較文化学なんてまったく知らんから素人なりにほざくけど、、、思考に対する言語の影響力って計り知れないと思う。有名な話しイヌイットは雪の種類を表す言葉が十何種だったっけな…まぁそんぐらいあって白を表す言葉も何種かあるそうな…んで南の島国では青を表す言葉がまた何種類もあったり。。。つまり、簡単に言っちゃえば我々の思考するうえでの領域ってのは日本語が表せる範囲であって、まぁ頑張れば詩的ニュアンスとかでそれ以上カバーできるかも知れないけど、所詮レーダーチャートみたいにしたときにその言語の得意とする表現部位とか表現種ってものに偏りが見られるのではないかと思うのだが。。。多分8カ国語くらいを自在に操れるようになったらその辺のことはよくわかるんだろうな。。。よし、頑張ろう笑

んでさ、、、国籍とか日本人としてのアイデンティティーとか愛国心だとかそういった事柄にこだわるのってすんごいくだらないと思うし、んなもんどうでもいいと思うわけですよ、僕は。あくまで個人てきな意見ですが。国なんて所詮機能であり、それ自体に敬意だのなんだのっていらないでしょ。我々に24時間清涼飲料水を提供する自動販売機に我々は愛機心(?)だなんだを持ちますか?笑 自動販売機をたたえる歌を歌うことを強制させますか?馬鹿か…アレはただの機能だよ。あっだめだ、また話しがそれてる。
んで、別に日本人としてのアイデンティティーとかそんなもの意識したこともないし、んなもん個性とか個々人の差の方が文化的背景なんかよりも遙かにでかいと思うんだけど。それでも文化的背景、言語集団、そういったものってのはその人に与える影響はでかいよな…とつくづく思ったり。。。
あっでもそれは日本が島国で排他的で且つ移民の受け入れが極端に少なくてとある政治家なんかは単一民族どうのこうのとか勘違いしてるような国だからかもしれない。もっと人種も言語も国籍も入り交じった国なら話しは全然違うだろうけど。

結論。あっ難しい。言葉であらわすの。なんつーか、日本語・日本に住んでいるというバックグラウンドの影響力のせいで盲点となっている部位を、なんとか日本語で表してみようと思ったりとか。なんとかその盲点の部位を見るように努力してみようとか。そんなことを漠然と思った休みの日の午後でした。
詩や音楽や絵画や文学…その他芸術一般の意義や定義なんて考えてるといくらでも樹形図が伸びてく、中央演算装置の能力の低いオレの頭ではグールグル。。。脳みそヴァージョンアップしたいな。メモリーカードかなんかぶっさして。まずは英和辞書のメモリーを入れてくれ!!

2005/03/29(火) ソドラシド/Syrup16g
あ〜。だるい。LIVE自体は楽しかったから全然いいんだけど。あっ見に来てくださった方々、最前列で乗ってくださり且つ野次を飛ばしてくださった方々、そしてなによりも凹に混ぜてくれました先輩方、本当にありがとうございました。感謝です。楽しかったです。卒業おめでとうございます。…いやいや、、、ホントに楽しいバンドで。。。

この気持ちは何だろう。回りが騒がしいほど切ない、楽しいほど寂しい。うわぁ、寂しいとかいってんじゃねぇよこいつ。まるで子ども。

悲しく何て別にねえ 今更何もする気ねえ 愛してるなんて言ってねえぜ しらねえ ///Syrup16g

2005/03/28(月) グッドモーニング/くるり
やりきれなさ、ってのはうまい表現の言葉だ。確かにやりきれない。ふむ。やりきれない。そんなテンションで明日のLIVEを迎えるとします。

勉強なんて大した意味ねぇよ、って言えるくらい頭良くなりたい。分かり切ってるんだけどな、、、努力しろよってね。はい、わかりました。とりあえず自分を律する力をもう少し強く持とう。禁酒禁煙ノードラッグ。いや…それは当たり前だな。。。

2005/03/27(日) Old lighter/TRICERATOPS
気がつく、LIVEは明後日。まずい。緊張感がなさすぎる。直前に緊張感がないのは何をやるにも失敗の前兆。まずい。。。しかもこういう時にはたてつづけになにか負なことがおこる予感。。。占いとかあんま信じないくせにこういうことは結構気になる臆病なやつ。

考えることはやめないさ。感じることはやめないさ。傷つくことも悲しむこともやめないさ。一枚のコインの表裏なんだから、快楽も悲痛も。一枚のコインの表裏なんだから、だいたい一般的に挙げられる二元論のほとんどは。

むー。。。春休み。休み。休みってんだから休んでみるかな、少し能動的に。休暇にスポーツを楽しむみたいな気分で、少し頭悪いことでもやって楽しもう。メーテルリンク風にいうと、「にせもののこうふくたち」と戯れようかな。

2005/03/26(土) 風待ち/GRAPEVINE
髪を切る。もう一ヶ月伸ばすつもりだったけど…ウザスギた。髪を切るってのは一つの儀式的なものでもあって…いや別に失恋したわけじゃないけど笑 なんか髪を切りたくなる気分のときってあるじゃん。本当に切りたいのは手首かもしれないけど笑 いや冗談。

僕が使ってるHDDプレイヤーiAudioってメーカーのヤツなんですけど…HP見たら清春(元黒夢)がイメージキャラになっていて少し笑った。そんなこんなで少年を聴く。ふむ、かっこいいな。そののりでSADSも聴く。ふむ。最近あんま聴いてなかったラインだ。だけどなんか今日の気分にあわないのでGRAPEVINEを聴く。ふむ。今日はこれだ、この気分だ。

初めて○○思いこみゲーム。やろうとすること何でも「初めて〜する」と思いこむことで何だか新鮮なわくわくなどきどきな気分を味わおうという今日なんとなく独りで思いついたひきこもり少年のゲーム。「初めてギターを弾いた」…うわぁ、なんかネックを握ってること、音を出してること、そういったことが全部感慨深い。初心忘れるべからずとはいったものだ。「初めてそうめん食べた」…いや…これは全然だったかも知れない、特にあの細い輝きに感銘を受けたりはしなかった。食べ物はつらいか。「初めて自転車に…」…まぁハンドルを切る動作がちょっと楽しかったり。「初めてインターネットを…」…無駄に画面の後ろをのぞき込んだり笑 ページひらく毎におぉと感嘆してみたり。。。
結論。ギターやピアノに関してはおもしろかった。あとの分野ではまぁまぁ…想像力のトレーニングにはなるな。みなさんも是非やってみよう。

2005/03/25(金) 20minutes /FarFrance
くふぁ…ほんとに疲れた。楽しかった。疲れた。痛い。
彼らの偉業を僕は忘れない。ひさびさにロックしました。
そうです、ファーフランス殿のLASTLIVEに行ってきました。
若いってことは素晴らしいなと実感した。だってもう数年たったらあんなことできないって。青春賛歌。
実感、これこそがオレがボール追っかけ回す替わりに求めてきた者でした。ロック。ロックしてやる、オレはステージ側にいたいんだ。
天井に頭打った。アニメみたいなたんこぶができた。明日床屋になんて言われるんだろうな。

あぁ、この二・三日でわかってきたな。やはり僕は間違ってた。物事にはめんどいからといってそのまんまにしとくと気付かないうちに害をなしてるものがあるんやな。けじめつけなきゃ。
ぐぅ…紫煙の絡んだ喉が痛い。たまにしか会わない友達にはたまにしか会わない友達特有の楽しさがあるね。不思議とマルボロの香りは嫌じゃない。

んー。別にいいし。オレが被害妄想なだけだし。あ〜なにやってんだろな、自分なんてずっと黙ってればよかった。言葉を発するたびに遠ざかっていくのに。

世界はこんなにきれいなのに。空はこんなにも広く、青く、海はささやくことをやめないのに。雨あがりの風は何よりも優しく皆の頬を包むのに。朝の光が木葉の間をすり抜けて木の幹から温かな霧を誘っているのに。
世界はこんなにも美しいのに。
どうして僕は下を向いてるんだろう。

2005/03/24(木) 依存症/椎名林檎
日付ずれてます↓これ23日に書きました、はい。

あぁ〜雨やだな…と久々に思った。雨が好きって普段言うのは雨って言う大気の状態が好きなのであって、雨の中小さな折りたたみ傘でズボンズブズブになって財布まで濡れてチャリすっ飛ばして帰るのは全然好きじゃない。ってか好きなやついないだろ。
もうひとつ『雨の日にはいいことがある』っていうオレのジンクスは超思いこみなわけで…むしろ雨の日にはやなことがおおいから無理矢理そう思いこもうとしてる感が強い。それは知ってる。でもさ、ホントにいいことあるかどうかじゃなくていいことあるって思うことに意味があるわけで…占いとかジンクスってそういうもんでしょ?要は日常を励ます為にあるんだよ。

二階に降りる。これで精神不安定になってノーロープバンジーしても骨折る程度で済む。よかった笑。

どうしても寂しい時、どうしても甘えたい時、どうしても怖い時、どうしても悲しい時、自分の不完全さを詛う時、自分の失敗を詛う時、自分の小ささを知った時、いつもいつも繰り返し思う『プライドのない人間なら死んだ方がマシだ』



なにがポケットにはいってるの?
楽しいもの?甘いもの?綺麗なもの?温かいもの?

口癖うつった

2005/03/23(水) 君が想い出になる前に/スピッツ
しまった。日記の日付がずれてきた。

くるりの岸田日記が終わってしまうかもしれん。ショック。別にああいうとこのBBSとか見てなかったから何が起こってたのかは全然わからんが。。。はぁ、毎日楽しみに読んでたのにな。彼の知的なセンスは何か「すっ」と通るものがあって素敵ですね。

まぁ、ああいうリーダーたくさんの日記メディアと相変わって、私めのHP及び日記はほぼ読まれることのないWEB上の漂流星ですから…カウンターから見てもわかるとおり、、、まぁ最近ではそれもスタイルだしいいかなっと思います。どうでもいいことばっかかけるし。

ホントに素敵な天気。今日みたいな天気が続けば良いのに。なんて良い匂いのする風なんだろう。なんて心地良い湿り気なんだろう。

そうやって儚い数年馬鹿みたいなことをやり続けてろ。あなた方があと数年で大学に入り、たった4年間学び学位論文が書けるようになるとはどうしても思えないのだが…。漫画とゲームとドラマで飽和した脳で、せいぜい好きとか嫌いとかのたうち回ってろ。
理解しがたい、プリクラを二回撮るために君らは一時間単純労働をするのか?あんなロバにでもできる仕事を。まぁどうでもいい。好きにしてくれ。でもさ、君らでも選挙権を持つんだよ???

2005/03/22(火) Friends/Joe Hisaishi
春はいい。暖かい。なんたる奇跡か今年は花粉症ないに等しいくらいの症状だし(去年まではさんざん悩まされましたが…悩まされてる方々に厚く同情…)なんか罰があたりそうなくらい眠くて平和なまったりした日でした。にゃー。でもこういう日に限ってやたらにテンションは低いです。でも思います、テンションは低めがいいですよ、低燃費だし。読書のスピード格段とあがるし。

僕の回りには、特にここ数年、気持ちの悪い恋愛スタイルを展開する人が多いな。僕から見ての気持ちわるいだから別に全然構わないんですけどね、私的にヤダ。気持ち悪い。いや、もちろん僕にはそんなことをいう権限もないし言う気もさらさらないですが、ただたんに、そのせいもあって純粋なるイデアとしての恋愛と、いわゆる「彼女」だの「付き合う」だののそういった戯れとの意義乖離が進んでるな、僕の中で。何がいいたいかっていうと…純然な恋をするというプロセスを重視したいってことです。今はそれで十分です。んで数年したら、別に「結婚できればいい」ってだけですから。




『月の梯子』(1/12:フィギュアスケーターの恋の続)
彼とまたあったのはあれから二ヶ月後の春先の頃、梅の花が散り始め、暖かい日が何日か続きマフラーをしまいロングコートをクリーニングに出した頃であった。いつもの用で車に乗って甲州街道を帰る途中、たまたま目に飛び込んだ道路標識の地名二文字。薄墨のような夕闇に人工的な青い看板の不健康な白い文字が、なぜだか暗示的に写った。僕はハンドルを右に切った。折しも雨が降ってきたようだ。乾いたエンジン音が急にくぐもった。
ワイパーはつけなかった。ゆったりとしたテンポで落ちる水滴が花火の様な輪郭をフロントガラスに残して信号の原色が屈折した。
 花火か…。花火なんてあの年の夏以来一度も見ていない。もう何年前になろうか、数える気にもならない。だが僕は、花火、その言葉を、その像を連想する度に記憶の逆流に苛まれてきた。今もそうだ、やれやれ。ああ、そうだよ。僕はあの時月をみていたんだ。花火でもなく、となりに座る君でもなく、花火が上がる空の九十度右の少し寂しげな月をみていたんだ。
 エンジンを切る音で、初めて自分が目的地につき、自分の右手でキーを回したことに気付いた。雨音がエンジンを切るのを待っていたかのように僕の回りに押し寄せた。僕はその建物をろくに見もしないで入り口の方に歩き出した。ちょうど車と建物との距離の半分を程を歩いたところで、僕は気配を感じ顔を上げた。彼はちょうど入り口を出てこちらに歩いてくる所であった。測ったように垂直にさされたインディゴの傘で顔の半分が隠れてはいたが、僕はすぐにそれが彼だとわかった。そして、その時に気付いた。このアイススケート場の前に彼が現れることを、僕は知っていた。いや、もちろん彼が表れるまでは僕にはまったくそんなことは知るよしもなかった。僕はただ、道草に差し障りのない場所に車を走らせただけのつもりであった。だが、僕は知っていた。そして、知った。彼がこれから僕にいう言葉を。どっちが先にきこえたかはわからない、彼と僕はほぼ同時にしゃべった。彼は彼の言葉をしゃべり、僕は知ってしまった彼の言葉をなぞった。
「雨は好きなんだ。雨の日は…ごらんよ、月に梯子がかかった様に見えるんだ。昇りかけた月に梯子がかかってる。」
 見上げた月の梯子は、こちらへ降りてきているようにも天空へ昇っていってるようにも見えた。水滴が目に入った。顔を前にもどすと光が滲んで頬を伝った。彼は両腕を空に伸ばして月の梯子をとらえようとしていた。

3月絵日記の続き


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.