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2013/09/08(日)
物理は哲学か
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先週、リーダーに昇格した先輩のお祝いの飲み会がありました。内輪だけ(課員のみ)の飲み会でしたが、その中に1人だけ、若干部外者的な感じで、本部長が混じってました。 この人は2年ほど前から、うちの課を含む「マーケティング本部」の本部長でらっしゃいますが、私はほとんど絡んだことがありません。一言も言葉を交わしたことがないかもしれません。 ※本部長は陰では色んな人から「ワッキー」というニックネームで呼ばれているので、ここでは本部長と書かずにワッキーと書く。
ところで、うちの上司くんは、実はワッキーが苦手なんだそうな。ま、そもそも上司くんは結構好き嫌いの激しい人ですので、今更ビックリもしませんが。
上司くんは、会議の時でも飲み会の時でも、とにかく端っこの席を占めたがります。端っこが落ち着くんだそうです。 後輩のまほちゃんと一緒にお祝い会のお店に到着すると、上司くんは先に着いてて、いつものように奥の隅っこの席を陣取ってましたが、私たちが逆の隅に座りかけたところ、 「今はどこに座っててもいいけど、ワッキーが来る頃には俺の隣に誰か座っとくんやで」 とおっしゃる。 そこが空いてるとワッキーが座るかもしれないので。 「じゃあ、今私上司くんの隣に座りますよ」 と私は珍しく飲み会で上司くんのお隣になりました(上司くんはタバコを吸いますんで、タバコ組は固まって座ることが多いのです)。
上司くんはお仕事中は厳しい人で、私もどっちかというと苦手ですが、プライベートでは仲良くできる人だと思います。 私は今の課員7人中、上司くんの部下歴が一番長くて、もう7年くらいになります。部下として長く上司くんを観察してきましたが、好き嫌いが多かったり機嫌が悪い時イライラを全面に出したりという人間臭い面はありつつ、かなりの切れ者で、私に見えないものが色々見えているのであろう人です。全面的に尊敬はしませんが、部分的には深く尊敬しています。
そんな上司くんと、飲み会中ほぼ2人でずーっと喋ってました。上司くんは京大文学部を出ているので、私のお姉ちゃんの先輩でもあります。 でも、文学部卒であるにも関わらず、上司くんは案外ヒトに興味がない。私の個人的感覚では、文系の人間は人文学に関心があり、理系の人間は科学技術に関心がある、ような気がしますが、上司くんは真偽のほどは不明ですが、「他人に興味はない」と豪語しています。 そして、上司くんは文学部卒のクセに、物理が大好きだったと言うんですから、もはや彼はやっぱり根っこは文系ではないのでしょうね。でも、上司くん曰く、 「物理っていうのは、哲学なんだ。世界をどう捉えるかっていう、一種の哲学なんだよ」 「世界を多面的に色んな角度から見るセンスがあれば、物理は分かる。自分の興味ある事だけ見てるから分かんないんだ」 ・・・だそうです。
そうなのか?物理は哲学なのか? 哲学は文系の領域で研究されるものであり、一方で物理は理系の範疇では・・・。 上司くんは漱石の『草枕』が大好きなのです。私に何度も推してきます。でも私はあれを1ページ以降読み進めることができない。上司くんがえらそーに曰く、 「あれは漱石の芸術論なのだ」 アートのセンスのない私には到底理解できないかも。でも、そこで上司くんの曰く、 「興味ないなと思っても、とりあえず読みかけた本は最後まで読む。そしたら、少しは物理が理解できるようになる」 「草枕とりあえず頑張って読んでみ。自分が興味を持てないものにも目を向けることが、とりあえず物理を理解する第一歩」 ・・・だそうです。
ぶっちゃけ、俄かには信じがたい。 そして、本音を言うと別に物理を理解できるようになりたいとは思わない。 でも、まぁ一応草枕は読もうかな・・・。
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