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2010/01/20(水)
路傍の石
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初めて読んだ山本有三。
男の子の成長を描いています。 そういう意味では、私のこよなく愛する下村湖人の『次郎物語』と似ていました。
面白くなくはなかったんですが、、、 主人公の吾一の境遇があんまりヒドくて、やるせなくなってしまう こんだけ頑張ってる子をここまで不幸にするとは、なんて冷酷な作者なのだ、ってだんだんウンザリしてきます。 父親が最悪すぎる。 家庭が貧乏すぎる、、、ってこれはそういう設定だから仕方ないんだけど、正直ぞっとしてしまう たまたま運悪く貧しい家に生まれた人が、勉強したくてもお金が無くて教育も受けられず、気付いたら人にこき使われてヘコヘコ卑しい人間に落ちていく過程を描いているような、そんな感じの話です。 時代の事情で突然話がぶちっと切れて、筆者が「すいません、止めます」みたいな断り書きを書いて未完、という変な終わり方ですけど、あ、終わるんだ良かった、って思いました。 だって読んでも読んでもちっとも楽しい気分にならないんだもの
多分、私の好きな次郎とか、あと室生犀星の『幼年時代』というのも同じような自伝的小説なんですが、その中に出てくる大人は、もうちょっと愛情豊かです。 も少しあったかい話が読みたかった。。。
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