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2005/07/04(月)
toyの話
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先日昔の同僚と酒を飲む機会があった。
そのときに、同僚から「○○君が亡くなった」って聞かされた。
死因は自殺。
一流とはとても言えないが、日本最大手自動車メーカーの下請け。 まぁ、千人規模の会社だから2流とでも言おうか。 給料も悪くない。 彼は大卒で、一緒の部署に居た一人。 背が高くて、きりっとした顔で、 時折みせる屈託の無い笑顔が特徴だった。
早いね。
妻子残して逝っちゃったよ。
俺がソコを辞める前に彼は異動になって、 それからもいろんな部署をたらい回しになってたらしい。
彼が”使えない”んじゃなくて、 彼は”使える人間”だったにも関わらず、”使いこなせなかった”。
彼が望んだ部署に回してもらえず、ようやく念願かなって たどり着いた矢先の出来事。
俺に話した同僚曰く、 「望みがかなったから、その先が見えなくなったんだろうね」 つまり、 その部署に行く事が、彼の生きる目標であって、 それを成し遂げたら目標が無くなったって事だ。
その分析が合ってるかどうかは俺には分からない。
さらにオフレコで、その異動をした常務の言葉を教えてくれた。
「せっかく、望み通りにしてやったのに、死にやがって!」
バカな人間が上に居ること嫌気がさしたんじゃねぇのか?
ちなみにコイツは一流と呼ばれる最大手自動車メーカーの天下りだ。 本来なら名前を挙げて糾弾したいくらいだ。
同僚が俺に話した瞬間、その場に居た奴等みんな沈黙した。 彼らは”人”だったよ。
人の死を笑い話にする奴等が多い中で、彼らが俺に見せた表情は 悼む顔だった。
不謹慎だが、少し安心した。 彼らが友人でよかったって。
その後は、楽しい宴会に戻ったけど。
悲しいよな。
俺は音楽やりたいから、ソコやめて楽しんでて。 彼は仕事をやりたいから、ソコに残って苦しんで。
俺は生活が苦しくても、楽しく生きていられて。 彼は生活が安定してても、死を選んだ。
悲しいよな。
ご冥福をお祈りいたします。
合掌。
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