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2006/05/11(木)
「K」と呼ばれる麻薬を知っていますか
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「ケタミン」 2007年1月施行の薬事法改正より、麻薬指定される薬物です。 若者の間で流行しているドラッグで、都内で簡単に手に入れられることができます。 海外では、既に麻薬指定されている国が多く、WHOでも「麻薬指定とするべきではないか」と諮っており、近く見解が出されるようです。 日本での薬物汚染は、近年拡大を続けていますので、この法律が抑制となれば大いに結構なことだと思います。
しかし、ケタミンが麻薬指定とされることで非常に困ること人たちがいるのです。
それは、獣医師です。
ケタミンは、麻薬として乱用されている他に、動物病院で「麻酔薬」として用いられています。 動物病院で使用されているケタミンの9割は、三共ライフテック社が製造している「ケタラール」です。 TVでインタビューを受けていた先生は、「ケタミンは、筋肉注射ができ、副作用も少なく、数十分で覚醒する。ケタミンに代わる薬はない」と断言していました。
ケタミンが麻薬指定されると、ケタミンを扱う人は「麻薬取扱免許」が必要となります。 つまり、ケタミンを製造している三共ライフテック社、それを卸している問屋、動物病院・・・、流通経路にかかるすべてに免許が必要ということです。
法の施行を前にして、三共ライフテック社は「ケタラール」の製造中止を決定しました。 理由は、現在、動物向けの薬を製造している市場は少なく、流通が非常に困難になるからだそうです。
「麻薬取扱免許」を取得して実際に取り扱うときは、専用の職員の配置、専用の施設、建物に接着された保管庫などが定められており、その管理費用は年間1,000万とみられています。 製造中止の理由もわかりますね。 獣医師のなかには、製造中止に驚いてケタラールの大量発注を行ったとか、また、ケタミンが無ければ獣医師をやめたい、とまでいう先生もいるようです。
それはなぜか。 現在、ケタミンに勝る安全な薬は無いからです。
渋谷などで出回っているケタミン(以下、区別のために「K」とします。)は粉末で、動物病院の使っているケタミンは液状です。 そう、Kとケタミンは違うのです。 だから、動物病院で使うケタミンは許可してもよいのではないか、という意見があります。 しかし、厚生労働省としては、例外をひとつでも認めてしまったら、そこを悪用する人が必ず出てくるとの理由で認めない方針です。
今後、明治製菓が動物用ケタミンの製造を続けるようですが、使用できる病院も限られてきますし、私たち飼い主への費用負担も大きくなると思います。
この法の施行により、麻薬取り扱い施設が増えることも期待されます。 施設が増えることにより、愛する可愛い子ちゃんたちが受ける治療の幅も広がるかもしれません。 でも、これはまだまだ先の話です。
ケタミンの代替薬に期待するしかありません。 この日記を書くにあたって、いろいろ代替薬を調べましたが、ケタミンにより安全な薬は本当に無いみたいですね。 白くんが元気に生きていってくれることを願うばかりです。
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