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2005/08/15(月) 曲名だけでこんだけ引っ張るか(我ながら呆れる(-_-;)
『芋虫』
アルバム『怪人二十面相』の中にこのタイトルを見つけたとき、江戸川乱歩の短編、『芋虫』が
題材なのかと思った。でも違ってた。
芋虫のもこもこした、ただ一日中食むだけの姿が思い浮かんでくるようなミデアムテンポの曲。
この曲を聴いて、あ〜ぴょんはふと、つげ義春氏の漫画を思い出してしまった。

タイトルは忘れたが、トイレをつぶした狭い部屋に住み、鬱々とした日々を過ごした頃のことを描き、
そんな自分を「うじ虫」のようだと表現していた。
そんな「うじ虫」も、やがてはハエになり、窓から外へ出て行ったが、
救いようのない閉じた一生を芋虫のままで生きる芋虫に、いつか蝶に変態する日は来るのだろうか。

中盤、ギターが奏でる悲しくて虚ろなメロディが、リフレインされながらだんだん美しく変化していき、
あ、もしかして昇華していく?と思ったら、「あれよあれよとハードな音に変わって断ち切られてしまう。
「テルミン弾き」の音が悲痛な叫びにも聞こえ、そして曲はスプラッタの世界へ。。。

なかにはきっと、芋虫のままで死んでいくのもいるだろう。
“蝶の姿など知らない。俺は芋虫。”そう思っているならそれでいい。
が、腐っていくことを感じながら終えるのは、どうしようもなく救いがない。

きっと最後は、そんな虚無感に浸りながら閉じていくんじゃないか、、
実はあ〜ぴょんも、自分の最後にそんな予想をちらりと思い浮かべてしまうときがあるのである。
「やっぱりこんなだったか」
とつぶやいて、「ふっ」なんて鼻で小さく自嘲してから目を閉じるのかなと…。
まあ実際は、今際の際に自分の最後を自覚するかどうかなんて、わからないけど。
(ちょっと言葉がリアルすぎるのは、軽く読み流していただくとして)

思いを遂げられずに死んで行く人はいっぱいいる。と思う。
自分が脱皮できずに一生を終えてしまっても、それは別に珍しいことじゃないのだ。
そうなりそうな気がして、この曲に感情移入してしまう人は結構いるんじゃないか、、
とあ〜ぴょんは思った。

で、芋虫なんだけど、、、

芋虫といえば、まあ女性には嫌われている確率が高い虫だと思うが、
私の友人の芋虫嫌いはほんとにすごくて、見つけようものなら
回りもよく見ずにいきなりダッシュするから危なくてしょうがない。

実際、高校の頃、ソフトボールの試合で他市へ行ったとき、
昼食後にグラウンドの隅の芝生で休んでいると、だれかが、
「あ、芋虫!」
と言った。
とたんに彼女はその場から猛ダッシュ。そして数メートル離れた場所に倒されていた
サッカーゴールの鉄の枠にゴーン!
それはそれはものすごく鈍い音をさせて額をぶつけ、
そのまま足元をすくわれたように仰向けにひっくり返ってしまった。

もうみんな真っ青になったけど、幸いなことに彼女は少ししてから起き上がり、
額にちょっとたんこぶができたぐらいですんだ。
私がそのたんこぶに触ろうとした瞬間、なぜか静電気がビリッときたのには
びっくりしたが、前もろくに見ずに飛び出して頭を打ってしまった彼女にも、
開いた口が塞がらなかった。それほど芋虫が嫌いながかえ、と思った。

そりゃまあ、私だって、触れと言われても今は触れない。
子供の頃は、捕って虫かごに入れたこともある気がするが、
青虫の頭から出るピンク色の角(?)を見て以来ダメになった。
あれはやっぱり気持ち悪いぞ。それが青虫側の意図でもあるのに違いない。
触らぬ方が身の為だぞと…。そうですね、さっさとどっかへ行っちゃってください。
目の届かないところへ。

そんな青虫も、やがては変態して蝶になるけど、蝶も嫌いと言う人はさておき、
山道を歩いていると、ふわりふわりときれいな蝶が現れることもよくあって、
そんな光景はあ〜ぴょんは嫌いではない。

いつだったか、早朝から石鎚山へ登っていると、まだほとんど人のいない登山道で
すごい数のアサギマダラの群れが乱舞していた。
何十匹、ヘタしたら百匹ぐらいいたんじゃないか。
夏の石鎚山土小屋コースは、アサギマダラの好きな、ヨツバヒヨドリの白い花が
たくさん咲いている。
人気のない早朝、少しガスの残る登山道で見たその光景は、
ちょっとあちらの国を覗いてしまったような不思議な気分にさせられた。

しかしこのアサギマダラ、体は黒に白い点々がある。もしかして、幼虫の頃は
そんな模様の芋虫か、毛虫なのだろうか、、無数の蝶なら幻想的だが、そんな模様の
無数の幼虫がうじゃうじゃ這い回り、ひたすら葉っぱを食む場面を想像すると、
やっぱりちょっと…。
石鎚のアサギマダラはここで生まれてここで成虫になるのだろうか。
だとしたら幼虫の1匹も見そうなもんだが、見たことはない。やっぱり隠れているのか?
しかしアサギマダラという蝶は、なかなかのヤツで、渡りをするらしいのだ。
あんたどこ生まれ?と聞いてみたくなる。

とにかく、ふわりふわりと舞う蝶はスマートでいかにも軽そうで…。
なのになぜに芋虫はあんなに もこもこして、のたっとして、
食うこと以外には思いっきり卑屈な態度にも思えるようなあの姿勢…。

だいぶあとで知ったが、曲を作った鈴木氏は虫を飼っていたことがあるそうで、
中にはほんとに、肥えるだけ肥えて、そのまま死んでいくやつがいるんだそうだ。
そんな芋虫を見たら、
 「なんでだ?おまえ、なんでそうなんだ?」
そう聞いてみたくなるだろうと思うのは私だけだろうか。

 " 俺は芋虫だから、それでいいんだ "

なんとなくだけど、そう言っているような気がしそうなのは、
やっぱり私だけだろうか。

曲の方は、”俺は芋虫”とは言うけど、それでいいとは歌っていない。
満足とか、納得とかはしていなくて、言うなれば、”諦め”だろうか。


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