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2005/04/19(火)
来た来た来た〜
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今晩、ふと気がついた。「アオバズクが鳴いてる!」 うぉしっ、来たか、今年も。
子供の頃住んでいた家はすぐそばにどでかい銀杏の木があって、 毎晩のようにアオバズクが来て鳴いていたから、 ほんっとに耳元で鳴いてるのを聞きながら育ったようなもんだ。
たぶん今もあの銀杏の木に飛んできて鳴いてるんだろう。 だいぶん距離が離れてしまったけど、 それでもちゃんと聞こえるのが嬉しい。
あれが私にとって、「でしこし」ではなくアオバズクの声になったのは、 中学生ぐらいの頃やったろうか。それまではほんとの正体を知らなかった。 「でしこし」と鳴く「でしこし」という存在、やった。 声がするんやから、実在の生き物であることは間違いないと思うたけど、
なら、何?
「鳥よ。」 と、父が言ったような…。 でも、鳥?鳥があんな風に鳴く?
「梟よ。」 「フクロウ?フクロウは、ホーホー、やろ?」
いまいち納得がいかないまま、実在の「もののけ?」の正体を、 知りたいと思う日々が続いた。 それは、相変わらず「でしこし」と鳴き続けていた。
そんなある晩、ぐっすり眠っていた私は、半覚醒の中、突然わかってしまった。 あ、フクロウだ!!
「ホウホウ、」 確かにそれは、「ホウホウ」と鳴いていた。 でも、目覚めてみるとその声は、あの「でしこし」の声だったのだ。
「でしこし」が、初めて「でしこし」ではなく、「ホウホウ」という 鳥の声に聞こえた、決定的夜だった。
もののけがもののけでなくなって、がっかりはしなかった。 それはどんな鳥なのか、フクロウの一種に違いないだろうが、 それはなんという名前で、どんな姿をしているのだろう。
それが知りたくて知りたくて、野鳥の図鑑を、母にねだってみたりした。 その図鑑に、ひときわ異彩を放つフクロウの写真が載っていた。 それが、「アオバズク」だった。 耳飾がなく、私にはその顔が、天狗のように見えた。
ある朝、テレビでそのアオバズクが、「でしこし」と同じ声で鳴くのを見た。 「これやー。」
それ以来、薄緑色の若葉の下からこちらを見下ろすアオバズが、 実際見たことはないのにいつも私の中にいる。
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